top 本と展示展覧会ピックアップ四谷のギャラリーヨクトで木村美代子「旅と公園と人と」(企画:山崎弘義)が開催

四谷のギャラリーヨクトで木村美代子「旅と公園と人と」(企画:山崎弘義)が開催

2024/02/29

木村美代子「旅と公園と人と」©Miyoko Kimura

 

東京・四谷のギャラリーヨクトで木村美代子「旅と公園と人と」(企画:山崎弘義)が開催される。
 
旅先での写真である。日常からちょっと抜け出した瞬間は、開放感と共に異なる文化にも触れることができ、心のオリがとれ、新たな風が肺に脳に入る時・間なのだろう。


2023年は、3年ほど続いたコロナ禍が収束に向かい、5月には新型コロナ(COVID-19)は、第5類感染症に変わった年でもある。政府からの外出自粛要請が外れ、観光地には海外からの旅行客も多く見られた。
この年に撮影した、家族旅行でもある「Park N」と一人旅での「庭と人」より構成。

 

数年ぶりの家族での遠出で奈良公園に向かった。鹿に会いに、そして大仏さまに会いに。また、歩くために。私以外は修学旅行以来のようだった。折しも、修学旅行の中学生だろうか列をなしてやってきた。今ではちょっと苦手になってしまった集団行動などを学び始めた時期を思い起こした。それにしても鹿には癒される。あの淡い栗毛色と白のバランスが最高だ。昔、北海道の知人から鹿肉の缶詰を送っていただいた。害獣として自ら駆除したものを工場に持ち込んだと聞いた記憶がある。所変われば鹿にとっても天国と地獄といったところだろうか。人がそう決めたのだろう。
 
さて、昨年は数年ぶりに『アルル写真の出会い』を見にフランスに出かけた。知人を訪ねてトゥールーズに立ち寄った。ふと、公園の中に日本庭園があることを知り足を運んでみた。静かな場所に現地の人々だろうか、静かにたたずんでいた。禅を感じる造りに思われた。これに触れ日本に本物を見に訪ねて来るのだろうか、などと想像した。近代化の時代の、1970年代からの伝統とイノベーションのシンボルでもある市長が日本に憧れ、今までにないエキゾチックで緑いっぱいの京都のイメージをした庭を町の中につくりたかったとのこと。京都の庭とダブリンにある日本庭園のようにつくりたかったようだ。今や“素敵な庭”としてフランス文化省のラベルを持っている。
 
ある人の思惑が、いくつかの素敵な場所をつくった一部の例に触れた。我々は現在、そんな空間を享受している。
(文:木村美代子)

 

■展覧会情報
木村美代子「旅と公園と人と」(企画:山崎弘義)
会期:2024年3月2日(土)~3月10日(日)
時間:13:00〜19:00

休廊日:水曜日

会場:ギャラリーヨクト
住所:東京都新宿区四谷4-10 ユニヴェールビル102

 

■プロフィール
木村美代子(きむら・みよこ)
1965年山梨県生まれ。1985年山梨県立高等看護学院中退。1988年日本写真芸術専門学校(報道写真専攻)修了。1994年東京綜合写真専門学校研究科卒業。
〔個展〕1994年「Places of Birth (生まれ育ったところ!):夏休み」(平永町橋ギャラリー/東京)。1995年「掌編写真展(small piece of photography)」(平永町橋ギャラリー/東京)
「フルーツ・パラダイス」(東川町文化ギャラリー/北海道)。1996年「夏休み1・2」(ギャルリ伝/東京)。1998年「light!」(オレゴンムーンギャラリー/東京)。1999年「日常と
其処」(ギャルリ伝/東京)。2001年「フルーツ・パラダイス」(山梨中央銀行・展示コーナー/山梨)。2021年「Feeling between A and B,…」(gallery DEN5/東京)。2023年「Feelings between A and B」(Alt_Medium/東京)。他、グループ展多数。
〔ZINE〕2023年「Feelings between A and B」(A.MOMO Projects)
〔パブリックコレクション〕フランス国立図書館
 
【関連リンク】
http://yocto102.starfree.jp/

展覧会概要

出展者 木村美代子
会期 2024年3月2日(土)~3月10日(日)
会場名 ギャラリーヨクト

※会期は変更や開催中止になる場合があります。各ギャラリーのWEBサイト等で最新の状況をご確認のうえ、お出かけください。

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