top 本と展示写真集紹介中井菜央写真集『雪の刻(とき)』が刊行

中井菜央写真集『雪の刻(とき)』が刊行

2022/04/02

中井菜央の最新写真集『雪の刻(とき)』が赤々舎から刊行された。今年の1月から2月にかけて同名の展示が横浜市⺠ギャラリーあざみ野でも開催されたばかりだ。
 
中井は、2015年より毎冬100日を新潟県津南町で過ごして撮影を続けてきた。2020年6月からは、約1年間津南町に滞在しながら撮影を行った。主な撮影地とした津南町と、津南町に隣接する十日町市、長野県栄村は奥信越と呼ばれ、積雪が多く、世界有数の豪雪地帯である。
 
この地域に降り積もる多湿で重たい雪の「個性」に惹かれ、中井は雪がつくりだす風景・光景、雪国に生きる人々を撮り続けてきた。
 
「雪がない時に雪の存在を感じる」
 
その気づきから見出された、天地の感覚を失うような雪の落下や、どこからともなく浸み出す水の気配。ねじれて進む季節。緑のうねりとかつての雪は通じ、さまざまな穴に覗く時間の淵や、類を超えて響きあう生命が写し出されている。
 
この地の8000年前からの歴史を抱く地層や土器、森の色の違い、集落の人々の瞳の色。
中井が捉えた、過去も現在も雪によって律せられているその大きさは、私たちの存在を問いかけ、見えない渦へといざなう。
 
重力や連続性から解き放たれ、凍結したような写真とそれらの構成の中に、雪の重層的な時間の厚みは生まれる。写真が記録したものがドキュメンタリーを超えて提示する、「雪」と「時間」をめぐる集大成となっている。

 

『雪の刻』
発行 赤々舎
発行日 2022年2月
ブックデザイン 須山悠里
サイズ 高さ255mm×幅210mm
ページ 176ページ
上製本
価格 5,000円+税
 
【写真家プロフィール】
中井菜央(なかい・なお)
1978年 滋賀県生まれ 東京都在住
2006年 日本写真芸術専門学校卒業
 
主な個展
2022「雪の刻」横浜市⺠ギャラリーあざみ野(神奈川)
2021 「破れる風景」津南町農と縄文の体験実習館なじょもん(新潟)
2019 「繡」gallery Main(京都)
2019 「繡」Classic Lab 柳の家(新潟)
2018 「繡」Roonee 247 fine arts(東京)
2014 「未明」銀座ニコンサロン、大阪ニコンサロン
 
主なグループ展
2021 「人間より大きな世界へ」榕异美術館(上海)
2019 「KG+SELECT」元淳風小学校(京都)
 
受賞
2008  第4回「名取洋之助写真賞」奨励賞
 
【関連リンク】
http://www.akaaka.com/publishing/naonakai-yukinotoki.html

 

 

 

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