top 本と展示写真集紹介馮立(Feng Li)『東京』

馮立(Feng Li)『東京』

2024/01/19
髙橋義隆

中国の写真家である馮立(Feng Li)は、1971年四川省成都生まれた。中国医学を学び、1996年頃より本格的に写真を始めたという。最初は四川省通信局の写真担当として公務員の職につき、技術ハブやハイテクなどの写真を撮影していた。2005年頃よりライフワークとしてストリートスナップを開始し、2017年に初めての作品集『白夜 / White Night(Second Printing)』を刊行した。
 
本作『東京』は東京新宿にあるギャラリーPlace Mからの発行となっている。詳しい経緯はわからないが、Place M のメンバーである写真家の瀬戸正人に招聘され、Feng Liはこのギャラリ−で展示を行った。その来日の際に撮影したのが本作の中に収められているのかもしれない。
 
全編カラーによる純粋なスナップでまとめられている。たぶんストロボも使用しているのであろう、強烈な発光によって晒された人や事物、そしてこれらを彩る色彩が、ある種の暴力性とグロテスクさをもって表出されている。かつての倉田精二に近い表現力は、最近の日本の写真家では見当たらないような気がする。
 
スナップの暴力性はときに傍若無人な振る舞いに見えることもある。だが、この突発的な衝動こそ写真という表現がもつ最大の強みでもあると感じる。Feng Li『東京』は衝動の塊で作り上げられたようま乱暴さがあり、それが魅力となっている。

 

【関連リンク】

https://www.instagram.com/fenglee313/

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