伊藤昭一の写真集『迷鳥』が刊行された。前作『留鳥ーRESIDENT BIRDS』と同様、蒼穹舎からの刊行となる。
大阪に生まれ、2012年から鳥取県米子市に在住する伊藤は、米子周辺の水辺の広がる風景に魅せられたという。
「時々、消波ブロックや流木にとまる鳥を見つける。烏や鳶、ウミネコなどの季節に関わらずその地を住処とする鳥だろう。ふと、彼らもはじめからこの地に留まっているのではないかもしれないと思った。別の地で生まれ、家族や先達に導かれながら渡ってきた。季節が来れば本来の生息地へ渡るつもりだったが、それは忘れてしまった。きっとこの地が居心地よくて気に入ってしまったのだ。そういう鳥がいても良いだろう。根拠も脈絡もなくそんなことをぼんやり考えてしまうのも、私自身が山陰から遠い場所で生まれ育ち、暮らしてきたからだと思う。この地に生まれ育ち、見飽きることのない水辺へと私を誘ってくれた家族に感謝している。」(あとがきより)
前作と同様に鳥に自身の姿を投影したような本作は、どこかさまよっても帰巣本能が働くかのように見慣れた風景に辿り着いているかのような赴きがある。
伊藤昭一 写真集『迷鳥』
3,960円(税込)
2022年3月21日 300部 A4変型 上製本
カラー64ページ 作品55点
編集:大田通貴 装幀:塚本明彦/赤川延美(タイプセッティング)
【関連リンク】
http://www.sokyusha.com/detail/pg4218136.html
PCT Membersは、Photo & Culture, Tokyoのウェブ会員制度です。
ご登録いただくと、最新の記事更新情報・ニュースをメールマガジンでお届け、また会員限定の読者プレゼントなども実施します。
今後はさらにサービスの拡充をはかり、より魅力的でお得な内容をご提供していく予定です。