東京・早稲田のAlt_Mediumに新山清写真展「松山にて」が開催される。
新山清は1911年、愛媛県に生まれた。1969年に不慮の死を遂げるまで、戦前から戦後を通して充実した写真作品の発表を続けてきた。近年でもさまざまな場所でその作品の観覧できる企画が設けられており、新山清が残した写真群への関心はますます高まっている。
Alt_Mediumにて開催される本展覧会では、新山清が戦後の約7年間に、故郷である愛媛県の松山で撮影した写真を出品する。
新山清の子息であり、その写真アーカイブを管理する新山洋一氏は、本展出陳作を「松山時代」と呼び、そこにあらわされた屈託のないまなざしにとりわけ愛着を持っていると語っている。現在では主観主義写真の代表的な実践者としても知られる新山清だが、松山時代の諸作からは、美的な趣味判断のみにとどまらず、その土地の様子やそこに生きる人々の営みを率直に記録することへの関心が窺われる。そのことは、もしかしたら、さまざまな破壊や喪失によって塗り込められてしまった戦争という時代の経験、そして、そのような状況からついに解放されたことへの喜びによって、裏打ちされていたのかもしれない。
- 【展示情報】
新山清個展「松山にて」
期間:2023年6月16日(金)~6月28日(水)
時間:12:00〜19:00(最終日17:00まで)- 休廊:木曜日
会場:Alt_Medium
住所:〒161-0033 東京都新宿区下落合2-6-3 堀内会館1F
電話:03-5996-8350
〈協力〉
新山洋一(コスモスインターナショナル)、金柑画廊/キンカンパブリッシング
【プロフィール】
新山清(にいやま・きよし)
1911年愛媛県生まれ。東京電気専門学校卒業。1935年に理化学研究所に入社。1936年、パーレットカメラ同人会のメンバーとして写真家活動を開始し、作品を多くのサロンや国際的写真雑誌に発表。ロンドン・パリのサロンで数点が入選、雑誌アメリカン・ポピュラーフォトグラフィー、フォトモンドのコンテストに入選。その後、全日本写真連盟や東京写真研究会での活動を通して日本のアマチュア写真家育成に携わる。1958年に旭光学に入社し、東京サービスセンター所長に就任。1969年5月逝去。1950年代に“Subjektive Fotografie”(主観主義写真)を提唱したドイツ人写真家のオットー・シュタイナートによって広く世界に知らしめられ、現在も国内外で評価されている。
〔国外での主な展覧会〕
2006年「変貌」(Monochrome Gallery / ベルリン,ドイツ)
2008年「Otto Steinert Kiyoshi Niiyama」(Kitcken Gallery / ベルリン,ドイツ)
〔主な出版〕
1970年 遺作集『木石の詩』
2008年 『新山清の世界』パーレット時代 1937~1952
2010年 『新山清の世界』ソルントン時代 1947~1969
2015年 『朝顔』(Kitcken Berlin, ベルリン)
2022年 『干潟にて』(キンカンパブリッシング)
〔パブリックコレクション〕
Museum Folkwang(エッセン,ドイツ)
【関連リンク】
https://altmedium.jp/post/715092972510773248/新山清-個展松山にて
出展者 | 新山清 |
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会期 | 2023年6月16日(金)~6月28日(水) |
会場名 | Alt_Medium |
※会期は変更や開催中止になる場合があります。各ギャラリーのWEBサイト等で最新の状況をご確認のうえ、お出かけください。
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