2022年2月11日(金・祝)から3月6日(日)まで、第一回ふげん社写真賞グランプリ受賞記念展、木原千裕「いくつかある光の」をコミュニケーションギャラリーふげん社で開催される。また、同名の写真集も合わせて出版される。
木原千裕は1985年福岡県に生まれ、同志社大学社会学部教育文化学科卒業後、独学で写真を学び、写真家として活動している。今回、木原の作品が2021年に開催された第一回「ふげん社写真賞」の172名の応募者からグランプリに選ばれた。
本展では、グランプリ受賞作「いくつかある光の」から38点のプリントが展示される。本作は、たった四度だけ会った東北の海沿いの街に暮らす人を被写体にしたシリーズ。
木原は、2017年冬から2019年春にかけて、自身が住まう福岡からその人が生活する石巻へ計4回、撮影のために赴いた。赤の他人でもなく、友達とも言えない曖昧な関係で撮影された写真は、二人の生活圏をつなぐ飛行機や空港などの風景から始まり、その小さな街にそびえる煙突、季節によって表情を変える小高い山、いちご農場を舞台に、被写体の表情が瑞々しく切り取られている。
家族や恋人、友達という特別な関係ではない他者をテーマにした本作は、人生における無数の出会いと別れの連続の中で、一瞬自身と交わった存在を肯定し、あるがままを受け入れることができるのか、という試みでもあるという。
木原には、セクシャルマイノリティを理由に恋人との関係を相手の親族から反対された過去があり、その出来事を基調にした作品「circuit」で、第23回写真「1_WALL」グランプリを受賞した。「circuit」と「いくつかある光の」に写るものは、恋人と、特別ではない他者と対照的だが、その二作は相互補完的に絡み合っている。
木原は、パンデミックによって人と人との分断がさらに進む現在において、どこかで生きる誰かの人生を想像することこそが、豊かな世界、未来の希望へと繋がっていくと考えた。自身を否定された経験を経てもなお、他者を肯定し、愛を携えて歩むことを選んだ木原の作品は、どこかで誰かのひとすじの光=希望となるのではないだろうか。
- 〈開催概要〉
- 第一回ふげん社写真賞グランプリ受賞記念展
- 木原千裕「いくつかある光の」
- 会期 2022年2月11日(金・祝)~3月6日(日)
- 火~金 12:00~19:00
- 土・日 12:00~18:00
- 休廊 月曜日、祝日 ※2月23日(水)
- 会場 コミュニケーションギャラリーふげん社
- 〒153-0064 東京都目黒区下目黒5-3-12
〈イベント〉- 3月5日(土)14:00~
- ギャラリートーク
- 木原千裕×飯沢耕太郎(写真評論家)×町口覚(造本家)
- ふげん社写真賞選考員の飯沢耕太郎氏、町口覚氏をお招きしてトークイベントを開催いたします。
- チケットはオンラインストアからご購入ください。
- https://fugensha-shop.stores.jp/
- ※配信のアーカイブ視聴可能期間は2022年4月3日(日)まで
- ※オンラインでチケットのご購入が難しい方は、ふげん社までご連絡ください。
〈新刊写真集〉- 木原千裕『いくつかある光の』
- 著者 木原 千裕
- 造本設計 町口 覚
- 発行 ふげん社
- 印刷 渡辺美術印刷株式会社
- 発行日 2022年2月11日
- サイズ 240×257mm
- 仕様 ソフトカバー・156頁
- ISBN 978-4-908955-14-3
- 定価 5,000円(税別)
- ※写真展会場にて販売いたします。
【関連リンク】
https://www.fugensha-award.com
出展者 | 木原千裕 |
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会期 | 2022年2月11日(金)~3月6日(日) |
会場名 | コミュニケーションギャラリーふげん社 |
※会期は変更や開催中止になる場合があります。各ギャラリーのWEBサイト等で最新の状況をご確認のうえ、お出かけください。
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