東京・新宿下落合にあるギャラリー「Alt_Medium」で林 朋奈個展「JOY!」で開催される。
林朋奈は2013年から現在まで東京・新宿にあるサードディストリクトギャラリーを中心に作品を発表している。また、2021年にはその作品が清里フォトアートミュージアムに収蔵されており、着実に評価を高めている。
本展覧会に出展される作品「JOY !」は2021年にサードディストリクトギャラリーで発表されて以来、二度目の公開となる。
林は撮影に際して、自分のイメージや物語を排したうえで、出来るだけ「カメラに使ってもらえるような私」でいる事を重視していると述べている。日常的かつ平易な言葉で語られるそうした写真への思いは、その実、すでにあるイメージや言葉に依拠した映像をつくりだすことへの明確な拒絶を意味している。
強い光と、そして濃い影によって構成された画面は、同時にきわめて断片的なものにとどまることで、前述した林の思いを裏付けているようだ。
林 朋奈
- 写真。写真。写真。写真!!!
私の頭の中はいつも写真でいっぱいです。
いつだって目は何か探しているし、日々のちょっとした変化でも「写真にどう影響するんやろ」とそんなことばかり考えてしまいます。
登山家の山野井泰史さんが「山登りを知ったときから、ずっと発狂状態なんだ。」と仰っていたそうです。
その言葉を夫から教えてもらった時、私も写真に出会ってからずっと発狂状態やああ。と激しい共感を覚えました。
私は撮影に行くのが大の苦手です。
「写真を撮らなきゃ!!」と意気込んでしまい、自分のイメージや物語の範疇にある窮屈な写真を撮ってしまいます。
そんな写真を見ていても目は全然喜んでくれないし、あーあ。自分のために写真を被写体を利用してしまったなあ。と虚しい気持ちになるだけです。
なので私は、撮影に行きません。
んじゃあどうやって写真を撮っているかというと、いたってシンプルで生きる日々の中でです。
通勤しながら、お茶しながら、ぷらぷらと遊びながら…。
意気込んでいない時の方が、あっ!っという光景を素直な気持ちで撮ることが出来ます。
それはなんだか不思議な感覚で、意識はしっかりとあるのに私の意思じゃないような、得体のしれないなにかに私を乗っ取られたような…。
きっとカメラが私を使って写真を撮っているんじゃないかなあ。
そんな時に撮れた写真は、私のイメージや物語を超えカメラが見つけてくれた被写体のエネルギーがそのまま写った写真になる事が多い気がします。
自分が撮ったはずの写真ですが何度見直しても、本当に私が撮ったんだろうか。と思うほどです。
そう考えると、カメラを持つ私にとって自分のイメージや物語は不要なのです。
なので私は、出来るだけカメラに私を使ってもらえるような私でいる事を日々心がけています。
出来るだけ太らない。とか。自分の事で悩みすぎない。とか。
太ると血が濁って動き鈍くなるし。自分の事で悩んでると考えが先に出ちゃってシャッター押せないし。
そのぐらいのことを心がけて、あとはカメラが教えてくれる光景に身を任せるのみです。
そんな積み重ねが、目の喜びや生きる喜びとなっていくのです。
■展示概要
林 朋奈個展「JOY!」
会期:2023年3月24日(金)~4月5日(水)
時間:12:00〜19:00(最終日17:00まで)
休廊日:木曜日
会場:Alt_Medium(所在地:東京都新宿区下落合2-6-3 堀内会館1F)
電話:03-5996-8350
【写真家プロフィール】
林朋奈(はやし・ともな)
1986年三重県生まれ。東京ビジュアルアーツ専門学校中退。
2013年サードディストリクトギャラリーの運営メンバーに参加。
【関連リンク】
https://altmedium.jp/post/708850784165609472/
出展者 | 林 朋奈 |
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会期 | 2023年3月24日(金)~4月5日(水) |
会場名 | Alt_Medium |
※会期は変更や開催中止になる場合があります。各ギャラリーのWEBサイト等で最新の状況をご確認のうえ、お出かけください。
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