東京・御茶ノ水のgallery bauhaus(ギャラリー・バウハウス)で、谷川俊太郎写真展「楽園 lost & found」が開催される。
詩人・谷川俊太郎の詩と写真を収めた著書『楽園』(Two Virgins刊)は、著者が18歳から21歳の頃に撮影した写真だ。
谷川は国産の二眼レフカメラを使って、誰かに見せたり発表するためではなく、ただ身の回りの美しいものや心に響いた対象に向かってシャッターを切っていた。詩も写真も職業にしようという気持ちはなく、身辺の何気ない瞬間や心に残ることを詩と写真で留めていた。
ほどなくして詩は「二十億光年の孤独」 という詩集になって刊行され、谷川の処女詩集として、今なお多くの読者に読み継がれている。
今まで未公開だった1950年代の知人や家族、何気ない日常の写真は、谷川のみずみずしく純粋なまなざしに溢れ、谷川が感じていた社会との距離感や自由への憧れは、70年の時を超えて今を生きる人々の心に響くに違いない。
谷川俊太郎『楽園』あとがきより
- 私が初めて手にしたカメラは、リコーフレックスという、ファインダー用と撮影用の二つのレンズが上下についたいわゆる二眼レフでした。シャッター速度を決めるのも、レンズの絞りを決めるのも、今のように自動ではなかったので、経験に頼るしかありませんでした。私は絵を描くのは得意ではありませんでしたから、カメラを手に入れて、ファインダーを覗くと目の前の光景が額縁に収まった一枚の絵のように見えて嬉しく、手当たり次第になんでも撮っていました。
1950年代に撮ったフィルムが捨てられずに残っていたのですが、私にとっては懐かしいだけのその時代の写真を見て編集者のOさんが、これを今の人たちに見てもらってはどうかと言ってくれたのです。父母をはじめ身近な友人知人を含むプライベートな写真ばかりなので、あまり気が進まなかったのですが、いつの間にかこんな思いもかけず贅沢なものに変身してしまいました。私としては関わった方々に恐縮しながら感謝の気持ちでいっぱいです。
■展示概要
谷川俊太郎写真展「楽園 lost & found」
会期:2023年3月1日(水)~5月27日(土)
時間:11:00~19:00
会場:gallery bauhaus(ギャラリー・バウハウス)
休廊:日曜、月曜、祝日(※5月3日、4日、5日祝日は開館)
入場料:一般・学生 800円 *中学生以下は無料
■谷川俊太郎のアーリーワークス2冊組箱入り
谷川俊太郎が18歳から21歳当時に撮影したモノクローム写真と、同時期に書いていた詩を谷川本人が選びなおし、新たな詩を加えた詩集を2冊セットでボックスに収納。写真の質感を表現するため、製版、印刷、造本などは、すべて最高の職人チームが手作業で行い、ダブルトーン80ページの写真集と、同体裁の80ページ詩集2冊の箱入りセット。谷川俊太郎のアーリー・ワークスの愛蔵版となること必至。
・谷川俊太郎 写真集『lost&found』(Two Virgins刊)
B5判変形・上製(布装)ダブルトーン・80ページ
・谷川俊太郎 詩集『shuffle』
B5判変形・上製(布装)1色刷・80ページ
価格:10,000円(税別) 2023年3月10日発売
【関連リンク】
http://www.gallery-bauhaus.com/230301_tanikawa.html
出展者 | 谷川俊太郎 |
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会期 | 2023年3月1日(水)~5月27日(土) |
会場名 | gallery bauhaus |
※会期は変更や開催中止になる場合があります。各ギャラリーのWEBサイト等で最新の状況をご確認のうえ、お出かけください。
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