ドキュメント、人物、古美術、建築、風景、そのいずれにも忘れがたい作品を残し、日本の写真史に巨歩を記した土門拳。
ライフワーク『古寺巡礼』の第一集が刊行されたのは1963年、今年で60年を迎える。戦前から仏像行脚を続けた土門は、みずからの眼で選んだ古寺や仏像を徹底して凝視し撮影。建築の細部や仏像の手や足、口などをクローズアップで捉える独自のスタイルを貫ぬいた。
『古寺巡礼』の刊行途上、脳出血で倒れ、以後は車椅子生活になってからも不屈の精神で撮影を続行し、1975年、第五集で完結。
本展はカラーの代表作と、土門を魅了した室生寺の弥勒仏坐像をはじめ、重量感のある平安初期の木彫仏を中心にモノクロームの仏像写真と、合わせて約120点を展観する。
- ■開催概要
- 「土門拳の古寺巡礼」
日時:2023年3月18日(土)〜5月14日(日)
会場:東京都写真美術館 地下1階展示室(恵比寿ガーデンプレイス内)
開館時間:10時〜18時(木・金曜日は20時まで/入館は閉館時間の30分前まで)
休館日:毎週月曜日(ただし、5月1日は開館)
主催:クレヴィス
共催:公益財団法人東京都歴史文化財団 東京都写真美術館
協力:公益財団法人さかた文化財団 土門拳記念館
料金:一般 1,100(880)円 / 学生・65歳以上 900(720)円 / 中高生 700(560)円- ■展示内容
写真作品:約120点(カラー/モノクローム)
その他関連資料、撮影機材、映像の展示を予定。
薬師寺三重塔全景
【プロフィール】
土門 拳(どもん・けん)
1909年、山形県酒田市生まれ。1935年、日本のグラフ・ジャーナリズムを切り拓いた「日本工房」に入って以来、脳血栓で倒れる1979年までの足かけ45年にわたり、「報道写真家」として激動の日本を記録。『文楽』『ヒロシマ』『筑豊のこどもたち』『風貌』『古寺巡礼』など、不朽の名作を数多く残す。1939年、室生寺を訪れて以来、戦中も全国を巡り仏像を撮影。1960年、脳出血で倒れて35ミリカメラの操作が困難となり、大型カメラで『古寺巡礼』(全5集)の撮影に取り組んだ。
【関連リンク】
https://crevis.co.jp/
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