楢橋朝子作品展「春は曙」が東京・麻布にあるPGIで開催される。
「春は曙」は、およそ30数年の時を経て出版される同名の写真集出版に合わせて、作家本人の手によって新たにプリントされた作品が展示される。
「わたしにもこんな青い春のような時間があったのだと。」
こうした楢橋の言葉からも、「春は曙」というタイトルで三回の個展を行った1989年が非常に意義深い時期であったことが伺える。
作品のほとんどには、特定のどこかや何かというよりは、断片としての風景や時間が写されており、こうして集められたイメージの集合からは、楢橋朝子という個人の眼差しが、社会や全体を記録し理解しようとするのではなく、全体を創る「部分」を象徴的に捉えることで自分と世界の距離を測っているようだ。
そのことからは、楢橋が、とどまらずその場所を通り過ぎる人であったことも垣間見え、ある面ではそうしたあり方に執着さえもしていたのではないかと考えさせられる。
一点、海の遥かに見える桜島とその噴煙は、明らかにその被写体の個性を写しながら、学生生活を終えて社会に出ても、決まった仕事に就くことなく、ただ外へ出て写真を撮るという不安定な生活を送る作者と世界との距離が象徴的に写されている。
本展ではゼラチンシルバープリント約40点を展示する。
■展示概要
楢橋朝子作品展「春は曙」
会期:2023年2月1日(水)〜3月18日(土)
時間:11:00~18:00・入場無料
休廊日:日曜日、祝日、展示のない土曜日
会場:PGI
住所:東京都港区東麻布2-3-4 TKB ビル3F
TEL:03-5114-7935
写真集『春は曙』(2023 年2月・オシリス刊)同時刊行
【関連リンク】
https://www.pgi.ac
出展者 | 楢橋朝子 |
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会期 | 2023年2月1日(水)〜3月18日(土) |
会場名 | PGI |
※会期は変更や開催中止になる場合があります。各ギャラリーのWEBサイト等で最新の状況をご確認のうえ、お出かけください。
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