鹿野貴司『いい写真を撮る100の方法』(玄光社刊)は、写真撮影の優れた指南書として読み継がれるであろう1冊だ。
タイトルにある100通りの状況に想定して、どのように撮影するかを実践と同時に、カメラとレンズの構造を踏まえた上で理論的に説明する。
だからと言って堅苦しい内容ではない。著書自身の経験を踏まえつつ、ときにユーモラスな表現を交えながら書いているところもあり、まるでマンツーマンで教えてくれているような感覚にもなる。
そしてなにより、良い写真を撮るためにはその人の気持ちが大事だということをあとがきで述べている。鹿野がある高校の特別授業で女子生徒に教えたときのエピソードが綴られているが、そこに彼の優しさをおぼえると同時に、この気持ちこそが良い写真を撮るために必要なことであることを、さりげなく教えられたような気がした。
- 2022年9月30日発売
A5判 224ページ
定価:本体2,000円+税
電子版定価:2,000円+税
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