The house
- 東海林広太〈パンザマスト〉
2022年9月22日[木]―10月7日[金]
※9月22日[木]は14:00–22:00
Open_14:00–20:00
Close_9.26[月]・9.27[火]・10.3[月]・10.4[火]
Printed Union
150-0001東京都渋谷区神宮前6-32-7近藤ビル1F
■プロフィール
東海林広太(しょうじ・こうた)
1983年 東京生まれ。2007年よりスタイリストとして活動した後、2014年から写真家のキャリアをスタート。現在、東京を拠点に活動をしている。2017年に初となる個展「Beautiful」を開催、同年「つぎのblue」、2019年「go see」、「過去に写した時間 誰も知らなかった写真について」、「青い光」、「happen」、2021年「everything matters」、「あの窓とこの窓は繋がっている」を開催。
https://ko-ta-shouji.com/
https://www.instagram.com/ko_ta_s/
■作家説明文
写真を撮るようになり、帰省の度に地元を撮るようになりました。
写真は原則的には今在るものを写すことは出来ますが目の前にないものは写すことが出来ません。自分の育った場所にかつてはあったものとして、存在していた物事を写真に残すという一連のシリーズは<Not Found>というタイトルをつけ2016年から現在進行中でゆるやかに続いています。
今回の展示はこのシリーズから2018-2021の写真を中心に編んだ展示となります。
パンザマストは直訳すると鉄塔(商標登録された名称)という意味ですが僕の地元では5時のチャイムのことを指しています。
言葉の意味としては通じるけれど本当の伝えたい意味としては伝わらない。(ある一定の条件の元でなくては)
それは写真のもつ性質にも、とても似ていると思います。
東海林広太
■作家ステートメント
どこをいくら探してももう見つからないことがある。
それは人だったり場所だったり記憶の中の景色だったりする。
写真を撮るようになってからなんとなく、地元を撮るようになった。きっかけはいくつかあったけどなんとなくが今も続いている。
今でもふと、もう存在しない場所やもう会えない人を探してしまうことがある。記憶の中のイメージはどんどん曖昧になっていく。
撮れる時になるべく全部写そうと思っていたけど写真を見返すと案外撮っていなかった。
窓際の回転椅子、枯れかけの鉢植え、くまの刺繍の帽子、母が育った部屋の壁紙、オレンジのランプシェード、くるみボタンのカーディガン、ポケットに残ってたチョコレート、日でやけたカーテン、部屋を繋ぐバルコニー、壊れた時計、アラミスの香水、ショートホープ2箱、淡い水色のタオルケット、話し声、沈黙した時のTVの音(再放送の時代劇)、笑い方、お茶を注ぐ音、5時のパンザマスト、刺繍の花束、渇いた骨。
実家の前の道は緩やかなカーブで見通しが悪かった。
俺は向こう側がよく見えないその道が好きだった。カーブの先、曲がりきった次の瞬間に全く別の場所に行けるかもしれないと、いつも思っていた。
あの家はもう無いし、買いに行かされた煙草の銘柄と握りしめた小銭の感触しか覚えていない。
撮って残したことより撮っていないことは山ほどある。そういうふうにこれからも続いていく。
東海林広太
■紹介文
今回の展覧会名〈パンザマスト〉とは、東海林さんが育った地域で一部限定的に浸透している言葉であり、5時のチャイムを意味します。
言葉が意味として成立する条件は、自己と他者の認識している世界や、それを捉える主体や成立条件によって必ずしも同一ではなく、主体(鑑賞者)に委ねることを前提とした写真自体の持つ性質とも深く関わりを持っていると捉えることができるでしょう。
東海林さんが「自分の育った場所にかつてはあったもの」と語るように、今回の展示作品は身近な人や身近だった場所、いま目の前にある事象とかつてそこにあった対象に何らかの変化を見出すことで作品化されています。
「What is photograpy」「写真とは……」。
日記として記された彼のTwitterの文章には、そこに記す事で先入観を解除し、かつては目の前にあった対象を改めて客観的に捉え直すガイドにもなるような、“写真”に対しての考察を見ることができます。
今回の展示では、2019年3月31日から12月30日にかけての東海林さんの日記を抜粋し、写真と言葉を一冊に綴じた本もリリース致します。
ぜひ会場でご覧頂ければ幸いです。
出展者 | 東海林広太 |
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会期 | 2022年9月22日(木)〜10月7日(金) |
会場名 | Printed Union |
会場の住所 | 〒1500001 東京都渋谷区神宮前6-32-7近藤ビル1F |
URL | http://www.printed-union.com/ |
※会期は変更や開催中止になる場合があります。各ギャラリーのWEBサイト等で最新の状況をご確認のうえ、お出かけください。
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