私の故郷は中国の中原地方にある小さな町である。
ほとんどの人はその町を知らず、そこでは丘も小川にも名前がない。
三年が経ち、久々に故郷に戻ってきた。都市の建設により、至る所に新しい高層ビルや建築現場などがたくさん見える。
城下町に立って遠く見渡すと、周りの高層ビルが波のように、私の故郷の思い出をじりじりと飲み込んでいた。 人々は渡り鳥のように、変化する環境の中で、新たな巣を求めている。
昔、祖母はその町の西に住んで、30年間を過ごした。
2015 年、新しい住宅地を開発するために、この地域の建物が全て取り壊されていた。
しかし、 8 年が経って、ここはまるで忘れ去られた場所のようで、ずっと廃墟のままである。
お年寄りは住みなれた土地から離れ難いのに、祖母は仕方なく3回引っ越した。
故郷に戻ってきた私は、この町に見慣れないものを感じたが、今なお無意識に記憶の中で馴染みのある人々や物を探していた。
そして、別れの気持ちを抱きながら、写真を撮って記録しようとした。
故郷とは、いったい何だろうか。
もし慣れ親しんだ風景が消え去ったら、故郷はまだ存在するだろうか。
それとも、記憶の中で名のない小川のように、消え去っても、私が到達できない遥かな彼方で、そのまま流れていくだろうか。
出展者 | 張 景翔 |
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会期 | 2024年10月18日(金)~10月31日(木) |
会場名 | ソニーイメージングギャラリー銀座 |
会場の住所 | 〒104-0061 東京都中央区銀座5-8-1銀座プレイス6階 |
URL | https://www.sony.co.jp/united/imaging/gallery/detail/241018/ |
※会期は変更や開催中止になる場合があります。各ギャラリーのWEBサイト等で最新の状況をご確認のうえ、お出かけください。
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