©Tatsuo Kotaki
小瀧達郎が1975~80年にかけて撮影した鎌倉の写真展です。一部の作品は雑誌等に発表されましたが、展覧会は今回が初となります。二十代に多くの時を過ごした鎌倉の風景が50年の歳月を経てよみがえります。
理由は定かではないが、若い頃、ぼくは仏教や寺に興味を持っていて、鎌倉は憧れの地だった。
父から聞いた話によれば、ぼくの祖父は東京神田で活版印刷用の活字の材料となる地金屋を経営していたそうだ。祖父は過去に震災や戦災を経験したことから、東京から歩いて行ける場所に別宅を建てる計画をたて、その候補地に鎌倉があがったという。しかし、その案は祖父よりも絶大な権力を持つ祖母によって「商人が鎌倉なんぞに家を持ったら気位が高くなっていけない」のひとことで却下され、あえなく千葉の片田舎に変更されたとのこと。ぼくが鎌倉に心ひかれた理由には、そんな伏線も潜んでいたからかもしれない。
好きだった小津安二郎の映画にも登場する北鎌倉に、後年自分が住むようになるとは、当時は夢にも思っていなかった。祖母の放った一言が良かったのか悪かったのか、人生は予測不可能で何とも摩訶不思議なものである。
小瀧達郎
出展者 | 小瀧達郎 |
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会期 | 2024年9月25日(水)~11月30日(土) |
会場名 | gallery bauhaus |
会場の住所 | 〒101-0021 東京都千代田区外神田2-19-14 |
URL | http://www.gallery-bauhaus.com/240925_kotaki.html |
※会期は変更や開催中止になる場合があります。各ギャラリーのWEBサイト等で最新の状況をご確認のうえ、お出かけください。
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