Statement
都会で生まれ育った私は夏になると、両親の故郷である長野県へ度々避暑に連れて行かれた。木々の隙間から射し込んでくる木漏れ日は土の上に光と影を交錯させ、風が吹くと波のように揺れていた。あの頃、森に棲む多くの小さな生命の存在に気付き、自分もまた一つの生命として光を浴びていることを実感した。それらは夥しい蝉の鳴き声と共に記憶の底に眠っている。
今でもあの陽射しはあの場所で同じように輝いているだろうか。夏の眩しい輝きは時折、日常生活の中でサブリミナルのように私の心をよぎる。
いつしか私は遠い記憶にある景色を求めて森へ行く。木漏れ日を浴びながら小さな生命の鼓動に耳を澄ませる。
銀塩写真の粒子感は木漏れ日を想起させる。もしかすると私は暗室に篭りながら、幼い頃に見た木漏れ日を追い続けているのかもしれない。
植物に暗室で水遣りをして、瑞々しさを取り戻させることで私のプリントは成り立っている。記憶を辿りながら水の中であの時の残像を記録しているのだ。
Profile
建築の仕事に関わりながら2017年から写真を学び、現在も一貫して銀塩プリントに拘り作品制作を行なっている。
個展
2023「Urban buoyancy」ギャラリーソラリス
2023「Urban buoyancy」Place M
2021 「ETHER 2021」space2*3
2020「浮遊する湿度」Place M
グループ展
2024 FOTOZOFIOの17名のアーティストに選出され、
4/13~5/12まで 京都駅前広場にて「都市の浮力」(Urban buoyancy)展示中
5/7よりFOTOZOFIOセンターにてスライドショーでの展示
2022 「Two Plants」K2⁺ギャラリー(二人展)
2021 アート・サクレに入選 参加 セント・ニコラス教会(フランスコンピエーニュ市)
2021 Photographic Art Asia ギャラリー5610
2019 アート・サクレに入選 参加 サン・ピエール教会(フランスサンリス市)
出展者 | 髙村啓子 |
---|---|
会期 | 会期:2024年5月21日(火)~6月2日(日)開廊時間:12:00~18:00(日曜17:00まで) 休廊日:月曜 |
会場名 | Jam Photo Gallery |
会場の住所 | 〒〒153-0063 東京都目黒区目黒2-8-7鈴木ビル2F B号室 |
URL | https://www.jamphotogallery.com/exhibitions https://kyoto-muse.jp/exhibition/174544 |
※会期は変更や開催中止になる場合があります。各ギャラリーのWEBサイト等で最新の状況をご確認のうえ、お出かけください。
PCT Membersは、Photo & Culture, Tokyoのウェブ会員制度です。
ご登録いただくと、最新の記事更新情報・ニュースをメールマガジンでお届け、また会員限定の読者プレゼントなども実施します。
今後はさらにサービスの拡充をはかり、より魅力的でお得な内容をご提供していく予定です。