京都にあるPURPLEにて、山内悠の2つのシリーズから成る「夜明け、残像」展が開催される。
山内悠は自然の中に長期間滞在し、自然と人間の関係性から世界の根源的なありようを探求している写真家だ。
本展で発表するのは、2006年から4年に渡り富士山の山小屋に600日間滞在し、眼前に広がる雲の上の光景を撮影し続けた「夜明け」。
そして、現像やプリントをする中で時々出会う、撮影した記憶にない写真たち。それらを紡いで見えてくる、意識から外れた世界を浮かび上がらせる「残像」。
山内が外側に向けて問いかけた世界と、内側に向けて探る世界。
深く響き合う2つの世界が体感できそうだ。
- 富士山3000メートルの雲の上で不意に撮れた1枚の写真。それを切っ掛けとして山小屋に長期滞在し、そこの環境や自然に身を委ねるように来光の撮影を続けた。刻々と動き続ける雲の表面は自らの鼓動に重なり、現れた光にこの世界の在り方を問いかけられた。
そこから旅を続けてきたが、その過程で時々現れる、撮影した記憶がない写真たち。いま、それを他者の記憶と重ね、そこから現れる世界を探している。
このように現れたイメージは、意識や思惑から外れ、個という枠を遥かに越えたものではないか。
今、頭上に広がる彼方と、自らの内なる彼方を見ようとする。
光という物理的な現象から、意識を超えて潜在意識へ、さらに他者と共に集合的無意識に触れ、その向こう側を探りたい。
山内 悠
■展示概要
会期:2022年8月27日(土)〜9月11日(日)
時間:13時〜20時(土日:11時〜19時)
休廊:水曜日
会場:PURPLE
住所:京都府京都市中京区式阿弥町112-1 式阿弥町ビル3F
電話:075-754-8574
【写真家プロフィール】
山内 悠(やまうち・ゆう)
1977 年、兵庫県生まれ。独学で写真をはじめ、 スタジオアシスタントを経て、制作活動を続ける。自然の中に長期間滞在し、自然と人間の関係性から世界の根源的なありようを探求している。富士山七合目の山小屋で600日間暮らし、眼前の雲上の光景を撮り続けた《夜明け DAWN》(2010年-赤々舎)。その山小屋に半世紀にわたり身を置く主人に焦点をあて、自然に対する人間の内と外の対話を著した《雲の上に住む人》(2014年-静山舎)。モンゴル全土を巡り、出会ったそれぞれで相対的に形成される時間や空間から、 多元的な世界の構造を観た《惑星》(2020年−青幻舎)を発表している。現在は長野県八ヶ岳山中を拠点に制作を行い、国内外で個展やグループ展に参加。
【関連リンク】
https://purple-purple.com/exhibition/yu-yamauchi-2022/
出展者 | 山内 悠 |
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会期 | 2022年8月27日(土)〜9月11日(日) |
会場名 | PURPLE |
※会期は変更や開催中止になる場合があります。各ギャラリーのWEBサイト等で最新の状況をご確認のうえ、お出かけください。
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