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「あざみ野フォト・アニュアル2026」開館20周年を記念した横浜市所蔵カメラ・写真コレクションの展覧会を開催

2026/01/01

横浜市民ギャラリーあざみ野のシリーズ展「あざみ野フォト・アニュアル」では、写真表現の現在を切りとる企画展と横浜市所蔵カメラ・写真コレクション展を毎年同時開催している。今年の横浜市所蔵カメラ・写真コレクション展では、開館20周年を記念し、収蔵する横浜市所蔵カメラ・写真コレクションそのものの魅力を掘り下げる展覧会を開催する。
 
本コレクションは、アメリカの実業家サーマン・F・ネイラー(Thurman F. Naylor, 1919-2007)によって蒐集されたものだ。世界のカメラ・写真の歴史がたどれるとともに、写真技術と表現の関係性を示す資料や、写真文化が各時代の人々にどのように受容されていったかを伝える資料が含まれるなど、エンジニアだったネイラー独自の視点が見られる。その内容は、世界で最初の写真集『自然の鉛筆』など写真史上重要な作品から、旅先で見つけたカメラにまつわるお土産品まで多岐に渡る。
 
ネイラーが自邸に構えていたプライベート・ミュージアムには、写真に関するあらゆるものが、まるで15~18世紀の博物陳列室「驚異の部屋(Wunderkammer)」のように所狭しと並べられていた。そこに通底するのは「もっと写真を楽しみたい」という蒐集家のあくなき好奇心だ。
 
展覧会では、本コレクションならではの貴重な資料やユニークな収蔵品、関連資料を通じてコレクションの特徴や歴史をひもとく。また、これまで行ってきたコレクションに関する取り組みや、近年の研究成果、修復についても合わせて紹介する。

ドッペル・シュポルト/ユリウス・ノイブロンナー/1908年頃


■見どころ
1.世界で最初の写真集『自然の鉛筆』を10年ぶりに公開
イギリスで1844~46年に出版された『自然の鉛筆』は、世界初のネガポジ印画法「カロタイプ」の発明者 ウィリアム・ヘンリー・フォックス・タルボット が、当時のニューメディア「写真」の可能性と、自身の発明した写真技法の有効性を示すために発行した書物だ。本展では『自然の鉛筆』を会期中にページを変えながら展示する。

「開いた扉」(『自然の鉛筆』より)/ウィリアム・ヘンリー・フォックス・タルボット著、

ロングマン・ブラウン・グリーン&ロングマン出版/1844~46年


2. 約12,000件の収蔵品の中から、蒐集家の着眼点があらわれたカメラ・写真史上の重要資料やユニークな資料200点を展示
写真史初期のダゲレオタイプ(銀板写真)や、コダック、ライカなどカメラ史上重要なカメラ、特定の用途に使われたカメラなど19~20世紀後半までの様々な分野の写真やカメラを展示。また、写真に関連した家具や彫刻、おもちゃなど様々な資料もあわせて展示する。


 ポラロイド SX-70 ランドカメラ プロトタイプ/ポラロイド・コーポレーション / 1972 年頃

 

3.横浜市所蔵カメラ・写真コレクションのキャラクター、
アザミック(Azamic)とアザミノックス(Azaminox)が登場
開館20周年を記念して誕生したコレクションのキャラクター、アザミックとアザミノックスが注目作品を楽しく紹介する。
キャラクターデザイン:野村浩

Azamic & Azaminox


【特別展示】鈴木のぞみ
事物の持つ記憶をテーマに制作するアーティストの鈴木のぞみが、2023~24年に本コレクションとコラボレーションして制作した作品を中心に展示室2内に展示する。

The Rings of Saturn : 片眼鏡 (読書用) - 『自然の鉛筆』 図版 XIII / 2023 年

 

■プロフィール
鈴木のぞみ(すずき・のぞみ)
1983年埼玉県生まれ。2022年東京藝術大学大学院美術研究科博士後期課程修了。平成30年度ポーラ美術振興財団在外研修員としてイギリスにて研修。主な個展に2025年「Slow Glass-The Mirror, the Window, and the Door」ポーラ ミュージアム アネックス(東京)、2024年「HIRAKU Project Vol.16 鈴木のぞみ「The Mirror, the Window, and the Telescope」」ポーラ美術館アトリウムギャラリー(神奈川)、グループ展に2022年「潜在景色」アーツ前橋(群馬)、2017年「無垢と経験の写真 日本の新進作家vol.14」東京都写真美術館(東京)などがある。2025年「第41回 写真の町東川賞」新人作家賞、2016年「現代美術の展望VOCA展」VOCA奨励賞受賞。

 

  • ■展覧会概要
    あざみ野フォト・アニュアル 2026
    開館20周年記念 横浜市所蔵カメラ・写真コレクション展 Mr.ネイラーの驚異の部屋
    会期:2026年1月24日(土)〜2月22日(日)休館:1月26日(月)
    時間:11:00~18:00
    会場:横浜市民ギャラリーあざみ野 展示室2
    料金:無料
    主催:横浜市民ギャラリーあざみ野(公益財団法人横浜市芸術文化振興財団)
    協力:城西国際大学メディア学部、POETIC SCAPE

 
■関連イベント
▼アメリカ初期写真 三都歴史めぐり
19世紀にヨーロッパで誕生した写真は、すぐにアメリカに渡り、ニューヨーク、フィラデルフィア、本コレクションが集められたボストンを中心に発展した。これら三都市の写真家が、写真という新しいメディウムにどのように出会い、技術や表現を発展させていったかを、コレクションの実物も見ながら話す。

 

  • 日時:1月31日(土)14:00~16:00
    会場:3階 アトリエ
    講師:日比谷安希子(コレクション担当学芸員)
    定員:30名程度(要事前申込、先着順)
    参加無料、保育あり

 
▼ワークショップ「写真が生まれた時代のフォトジェニック・ドローイング」
本ワークショップは、19世紀の印画紙「ソルト・プリント」をつくり、「フォトジェニック・ドローイング」で作品を制作する。また、使用する薬品による色味の変化も試す。

 

  • 日時:2月11日(水・祝)10:30~15:00(昼休有)
    会場:3階アトリエ
    講師:三木麻里(写真修復家)
    対象:中学生以上16名(要事前申込、先着順)
    料金:3,800円(材料費込)
    保育あり

 
【関連リンク】
https://artazamino.jp/event/photoannual2026-collection

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