フォトキナ2018において公式発表された「Lマウントアライアンス」は、今回のViltrox社の新規加入により、10社目のメンバーを迎え入れることになる。結成時からのメンバーであるライカカメラ社、株式会社シグマ、パナソニック株式会社、そしてエルンスト・ライツ・ウェッツラー社、DJI社、アストロデザイン社、SAMYANG Optics社、Blackmagic Design社、SIRUI社の計9社に加わったViltrox社は、今回の「Lマウントアライアンス」への加入により「Lマウント」を採用した製品を開発することが可能になり、写真撮影や映像制作において幅広い選択肢をユーザーに提供できるという多大なメリットを得ることになる。
「Lマウント」は柔軟性に富み、堅牢かつ精密、将来を見据えた長期的な利用が可能で、最も要求が厳しいニーズを満たすことができるバヨネットマウントを目指すという目標のもとライカカメラ社が開発したものだ。導入以降、ライカと戦略的パートナー各社が「Lマウント」開発を継続し、より洗練された新たなテクノロジーへと改良を重ねてきた。「Lマウント」は、アライアンスパートナーである各社のカメラとレンズに採用され、そのポートフォリオはカメラ約20台、レンズ120本超と着実に拡大し続けている。「Lマウントアライアンス」内で異なるシステム向けに製造された各種レンズは、アダプターおよび機能の制限なくあらゆるカメラに応用可能。これは、共通バヨネットの採用による数々の利点のひとつだ。
ライカカメラ社で専門技術・ライセンス管理に携わるヴァレンティノ・ディ・レオナルドは次のように語っている。
「『Lマウントアライアンス』は、スタート当初からライカカメラ社の戦略基盤であり、写真界のオープン性、イノベーション、最高水準の品質を体現するものです。このシステムによって、写真撮影や映像制作において、極めて多くの選択肢を提供できるようになります。Viltrox社が新たに加入したことで、未来志向で多様性に富んだシステムの構築というビジョンを共有する、極めて高い評価を得るパートナーを迎え入れることとなり、私たちのネットワークはさらに強固なものとなります。Viltrox社は、高性能レンズの開発に関する価値あるノウハウをもたらし、またアライアンス全体に新たな風を吹き込んでくれるでしょう。この協業を通じて、写真撮影や映像制作現場のあらゆる要望に対応する、より包括的で汎用性の高いシステムを提供していきたいと思っています」
Viltrox社CEOのダニエル・ダイは次のように語っている。
「『Lマウントアライアンス』に加入することで、Viltrox社は高性能で多用途かつ廉価なレンズに関するポートフォリオをより拡充させることができます。また、この協業は熱烈なライカファンから経験豊富なエキスパートまで、新たな世代のクリエイターらを刺激すると同時に、DJI社、パナソニック株式会社、Blackmagic Design社、株式会社シグマといったアライアンスパートナーとともに、ダイナミックで包摂的なエコシステムをより強固なものにします。ライカの製品ラインナップにも新たな強みが加わるでしょう」
「Lマウントアライアンス」について
「Lマウントアライアンス」のメンバーはいずれも、ライカカメラ社がミラーレスカメラシステム用に開発した「Lマウント」規格を利用することができる。アライアンスのメンバーはライカカメラ社、株式会社シグマ、パナソニック株式会社、エルンスト・ライツ・ウェッツラー社、DJI社、アストロデザイン社、SAMYANG Optics社、Blackmagic Design社、SIRUI社、そしてこのたび加入を果たしたViltrox社だ。加盟しているパートナー各社は自社ブランドで販売するカメラおよびレンズに「Lマウント」規格を採用し、各製品を競合製品として販売し、独自の製品戦略やマーケティング戦略を追求していく。加盟パートナーは、アライアンスによって「Lマウント」規格の技術向上も図る。
「Lマウント」規格について
「Lマウント」は51.6mmというマウント径を採用している。これはフルサイズカメラでの使用に適しているが、APS-Cセンサー搭載のカメラにも適用可能。フランジバックがわずか20mmと短いため、レンズとセンサーの間隔を短縮することができ、光学機器の小型化を実現することが可能で特に広角レンズの開発には有利。過酷な負荷への耐性を確保し、長年酷使しても最大限の信頼性を保証できるようにするため、カメラバヨネットの材料には耐摩耗性があるステンレスを採用していく。4つのフランジセグメントにより、傾くことなくレンズをしっかりとカメラに装着できる。「Lマウント」の電子接点は規格化されており、レンズとカメラの電子コンポーネント同士が円滑に通信を行う。将来的にファームウェアアップデートをインストールすることで、レンズの潜在的な性能を十分に発揮するための技術的進歩にも対応することができる。
【関連リンク】
https://leica-camera.com/ja-JP/press/viltroxshekalmauntoaraiansuhexintanijiaru
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