ニコンからREDのシナジーによって生まれた「Z CINEMA」シリーズより、フルサイズセンサー搭載カメラ「ニコン ZR」が2025年10月24日に発売される。価格はオープン価格。
フルサイズセンサーを搭載した「ZR」は、REDのRAW動画収録コーデック「R3D」をベースとして、ニコンのカメラ専用に新開発した動画記録ファイル形式「R3D NE」を搭載。RED機のカラーサイエンスと露出基準を採用し、RED機と同等のカラーマッチを実現。
また、ISO800/6400の2つのベースISO感度に対応しており、暗い場所での撮影にも強く、15+stopsの広いダイナミックレンジで、様々なシーンで最高の映像品質を実現。最大6K 59.94pの撮影にも対応し、内部収録が可能。
さらに、音にもこだわり、内蔵マイクと外部マイクでの32bit float収録に世界で初めて対応。内蔵マイクではNokia社製OZO Audioの採用により、5種類の指向性モードの選択ができ、高音質な音声収録を実現。優れた視認性を確保する4.0インチ大型モニターを採用しながら、「Z CINEMA」カメラシリーズ最軽量の約540gを達成しており、ミニマルなシステムでも高品質な映像制作を可能にする。また、「ニコン Z マウント」の特長であるフルサイズ機最短16mmのショートフランジバックにより、幅広いレンズ資産を活用できる。
- ■主な特長
▼REDのカラーサイエンスに基づく「R3D NE」及び「シネマティック動画」モードを初搭載
「R3D NE」はフルサイズセンサーを搭載し、6K 59.94p、4K 119.88pの12bit RAWでの内部収録に対応している。ISO800とISO6400の2種類のベースISO感度を採用し、シーンに合わせた最適な設定を可能にする。さらに15+stopsの広いダイナミックレンジを活かして、ハイライトからシャドウまでバランスの取れた高画質を実現。また、ガンマLog3G10及びガマットREDWideGamutRGBに対応しているので、REDのカラーサイエンスに合わせた露出基準と色を再現。REDのシネマカメラとの併用時も、同等のカラーマッチを実現する。
また、気軽にREDのシネマルックな映像を楽しみたいユーザーのために、ユーザー設定プリセット「シネマティック動画」モードを搭載した。さらに、「Nikon Imaging Cloud」には、RED監修による9種類のシネマティックな「イメージングレシピ」も用意しており、様々な映像表現の可能性を拡げる。
▼世界初、内蔵マイク、外部マイク入力における32bit float収録に対応。内蔵マイクではOZO Audioを採用し多様な現場に応える高音質収録を実現
外部マイク入力だけでなく、内蔵マイクでも32bit float収録に対応し、小さな音から大きな音まで、現場での音量調整をしなくても歪みのないクリアーな音声を記録。インタビューからライブコンサートまで幅広い音源に対応可能。内蔵マイクでは、Nokia社製OZO Audio技術を採用し、3つの高性能なマイクを搭載することで、最先端の音声収録を実現した。前方(鋭)、前方、後方、全方位、バイノーラルの5種類の指向性モードから選択でき、インタビューやVlog撮影はもちろん、外部マイクを使用しなくても臨場感あふれるASMRまで、幅広い収録スタイルに対応する。
▼外部モニターなしでも優れた視認性を確保する4.0インチ大型画像モニター
デジタルシネマ向けの色空間DCI-P3を100%カバーし鮮やかで正確な色を再現、さらに正確なピントを確認しやすく、明るい環境下でも見やすい307万ドットの高解像度と1000cd/m2の高輝度に対応。アスペクト比は、主要な撮影情報を撮影画面の外に配置し確認しやすいよう16:10を採用した。外部モニターを装着せず、コンパクトなシステムでの運用も可能。
▼ディープラーニングを活用したAI技術による高いAF性能
ニコンのフラッグシップカメラ「ニコン Z9」に搭載している画像処理エンジン「EXPEED 7」の圧倒的な処理能力と、ディープラーニングを活用したAI技術によって、被写体をより的確に検出・追従し、シーンに合わせた最適な画像処理を可能にした。これによって、より簡単に、そして高精度に「撮りたい瞬間」を捉えることができ、映像制作の可能性を大きく拡げていく。また、人物や動物、乗り物など9種類の被写体をカメラが自動で高精度に検出。フレーム長辺に対して約3%のサイズの小さな顔も捉えるため、遠くの人物も正確にピントを合わせることが可能。さらに、イメージセンサーシフト方式の5軸手ブレ補正により、手持ち撮影でも手ブレを抑えた動画撮影が可能。
▼高効率な放熱設計で、ファンレスながら長時間撮影が可能
外装全体で効率的に放熱できる設計を採用。USB給電時には連続撮影時間が125分と長回しにも対応でき、長時間撮影をする必要がある結婚式やコンサート、取材などでも安心して撮影することができる。
▼LUTモニタリングとクラウド転送で効率的なワークフローを実現
カラーグレーディング後のイメージが確認しやすい4.0インチ画像モニター上でのLUTモニタリングに対応。17ポイント、33ポイント、65ポイントの3種類のLUTデータの読み込みが可能。また、「NX MobileAir」を使ったFrame.ioの「Camera to Cloud」に対応。動画データは直接クラウドに自動で転送されるので、撮影後のワークフローを短縮できる。
▼システム拡張性に優れたデジタルアクセサリーシューを搭載
ニコン初、デジタルアクセサリーシューを搭載。アクセサリーと双方向での通信ができ、タリーランプやマイクのLED制御など新しいアクセサリーの使用が可能になる。他にも、カメラからアクセサリーへの電源供給が可能となり、バッテリーやケーブルが不要となる。また、新設計のシューカバーを装着することで、高い防塵・防滴性能を発揮する。
▼その他の特長
・フルサイズ機最短16mmのショートフランジバックにより、使用できるレンズの自由度が高く、既存のレンズ資産を活かすことが可能
・動画撮影時のシャッターアングル(シャッター開角度)を5.6°~360°の範囲で設定可能
・輝度情報表示(ヒストグラム/ウェーブフォームモニターのサイズ・透明度・表示位置、ゼブラ表示の色)が変更可能
・HDMI-CEC経由で入力されたタリー制御信号を受信し、複数カメラ使用時に各カメラのステータスを表示
・撮影領域を拡げる優れた防塵・防滴性能と堅牢性
・静止画撮影において、「ニコン Z6III」と同等の高度な機能に加えて、星景撮影用のプリセットなど新機能も搭載
- ■仕様
マウント形式:ニコン Z マウント
撮像素子:35.9×23.9mmサイズCMOSセンサー(フルサイズ/FXフォーマット)
ISO感度:
└撮影モードM:ISO 100~51200、ISO 51200に対し約0.3、0.7、1段、2段(ISO 204800相当)の増感が設定可能 感度自動制御が可能、制御上限感度が設定可能(R3Dモードを除く)
└撮影モードP、S、A:感度自動制御(ISO 100~Hi 2.0)、制御上限感度が設定可能
└オート:感度自動制御(ISO 100~51200)
ダイナミックレンジ:15+stops(Log3G10)
画像モニター:バリアングル式/4.0型LCDモニター(タッチパネル)、アスペクト比16:10、約307万ドット、表示最大輝度1000cd/m2
大きさ:約134×80.5×49mm
重さ:約630g(バッテリー及びメモリーカード2枚を含む、ボディーキャップ、デジタルアクセサリーシューカバーを除く)、約540g(本体のみ)
■製品情報
「ニコン ZR」
発売日=2025年10月24日
価格=オープン価格(オンラインショップ価格:299,200円税込)
【関連リンク】
https://nij.nikon.com/products/lineup/z_cinema/zr/
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