澤田華「ビューのビュー(陳列窓、散歩)」©Hana Sawada
東京神宮前のLAGで澤田華「ビューのビュー(陳列窓、散歩)」が開催される。
京都を拠点に活動する澤田は、2016年に京都精華大学大学院芸術研究科博士前期課程を修了。VOCA展(上野の森美術館, 2025)や、豊田市美術館でのグループ展「吹けば風」(2023)、あいちトリエンナーレ(2019)などに出展し、近年高い評価を受けている。
澤田は、映像や写真を中心に、日常に潜む違和感や些細な出来事を起点として制作を続けている作家だ。雑誌や古い写真の隅に偶然写り込んだ「正体不明のもの」を追跡した《Gesture of Rally》、街で耳にした会話のメモを展開した《避雷針と顛末》など、検証のプロセスそのものを主題とした作品を発表してきた。また、映画『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』(1968)を室内外のさまざまな場所にプロジェクターで投影し、通常の映画上映の「外側」を意識させる《漂うビデオ》を制作するなど、一貫して私たちの知覚や解釈に揺さぶりをかける試みを展開している。
■「ビューのビュー」シリーズについて
生活や制作の中で溜められていく写真や動画、記録されたメモ、その他何とも言えないものたちを、ない混ぜの状態で未分類のまま、同じ土台の上で、地続きのものとして扱いたいと思った。
そのための手立てのひとつが、画面上の沢山のファイルを指やカーソルの操作によって再生・表示していくことで、縫い目のないパッチワークのように、ひとつの映像に仕立てていく「ビューのビュー」である。
澤田華
本展で展示される映像作品シリーズ《ビューのビュー》では、作家が日常的に撮影・保存してきた写真や動画、スクリーンショットやメモを素材に、それらをデバイス上で再生・操作する行為そのものが作品となる。普段私たちが意識することのない日々のデータの蓄積や閲覧の習慣が可視化され、見ることと記録すること、偶然と操作のあいだに生じるズレや不確かさが顕在化される。
- ■展覧会情報
澤田 華「ビューのビュー(陳列窓、散歩)」
会期:2025年9月12日(金)~9月27日(土)
時間:13:00〜19:00
休廊日:日曜日、月曜日、祝日
会場:LAG
住所:東京都渋谷区神宮前2-4-11 Daiwa神宮前ビル1F
■トークイベント
登壇者:澤田華、きりとりめでる(美術批評/デジタル写真論)
日時:9月12日(金)18:00〜19:30 (受付17:30〜)
会場:LAG(LIVE ART GALLERY)
料金:500円
事前予約制:申込み↓
https://docs.google.com/forms/u/0/d/1Cmjj1vuJrnqJOfol3Qlcm5QqBUodb0o0IakxoUmn3qA/viewform?pli=1&pli=1&edit_requested=true
■プロフィール
澤田 華(さわだ・はな)
1990年京都府生まれ。2016年京都精華大学大学院芸術研究科博士前期課程修了。現在京都在住。生活や制作の中で生じた些細な疑問や引っ掛かりを起点に、写真・映像をはじめとした様々な表現形態を用いて制作を行う。普段は何気なく受け入れてしまう行為や経験を、過剰にしたり分解したりすることで混乱を生じさせて、そこで起きていることを顕在化させようと試みている。
近年の主な個展に、「ビューのビュールーム」(山山/2024年)、「避雷針と顛末」(Gallery PARC/2022年)、「夏のオープンラボ:澤田華 360°の迂回」(広島市現代美術館/2020年)、グループ展に「VOCA展2025」(上野の森美術館/2025年)「吹けば風」(豊田市美術館/2023年)、「見るは触れる 日本の新進作家 vol.19」(東京都写真美術館、2022年)、「第3回PATinKyoto 京都版画トリエンナーレ2022」(京都市京セラ美術館/2022年)、「あいちトリエンナーレ2019 情の時代 」(愛知芸術文化センター/2019年)など
【関連リンク】
https://www.live-art-books.jp/lag/exhibition/hanasawada/
出展者 | 澤田 華 |
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会期 | 2025年9月12日(金)~9月27日(土) |
会場名 | LAG(LIVE ART GALLERY) |
※会期は変更や開催中止になる場合があります。各ギャラリーのWEBサイト等で最新の状況をご確認のうえ、お出かけください。
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