小学館は、「GOAT」の姉妹誌となる「GOAT meets」を7月24日に発刊する。
昨年11月に第1号、今年6月に第2号を発売した「GOAT」の発行部数が、それぞれ6刷56,000部、4刷55,000部と、累計11万部に達した。新たなる文芸誌をめざす試みの新展開として「GOAT」の姉妹誌となる「GOAT meets」を7月24日に発刊する。「GOAT」の志は引き継ぎつつも、判型も体裁も変えた新たなる文芸誌だ。
巻頭特集は、金原ひとみ氏・朝吹真理子氏らによる「韓国文学の旅」── ふたりの芥川賞作家が、イ・ラン氏ら韓国人クリエイターと邂逅し、その取材体験を書き下ろし小説として発表した。同特集には、俳優の唐田えりか氏がインタビュー&撮り下ろし、また映画監督の山中瑶子氏も寄稿で参加し、それぞれ韓国との「縁」を述べている。韓国の人気作家チョン・セラン氏には、逆にソウルから東京、京都を旅したエッセイの寄稿など、日韓コラボ盛りだくさんだ。
漫画、現代アートの世界との〝ミーツ〟も意識している。漫画家の今日マチ子氏には、名著『cocoon』から15年の節目として、戦後80年の沖縄を訪れ、その風景を描き下ろした。そのほか漫画家のマキヒロチ、ぴょんぬりら、アーティストの米澤柊、齋藤大、Cream Ecoes、イラストレータの山田将志の各氏には小説作品から着想した描き下ろしを掲載している。
■新たな才能の萌芽を目撃!
「GOAT meets」も、「GOAT」同様にジャンルを越える企画をたくさん用意している。たとえば、「異界をのぞく」小説特集。乙一氏や小田雅久仁氏らによる唯一無二の作品にはじまり、編集部が「闇文芸四天王」と名づけた作家たちの奇怪な小説も掲載。国境も越えた企画にも注目。文筆家のワクサカソウヘイ氏による「タンザニア巨大見聞録」は、男性ブランコ・平井まさあき氏も同行した珍道中だ。
また他の文芸誌では見られない読み物ページも多数用意している。なかでも書評家の杉江松恋氏とスケザネ氏による対談「そろそろ本屋大賞についてマジメに語ろうか」は出色。2004年にはじまった「本屋大賞」について、21年分の歴代受賞作について漏れなく語った。この模様は、ポッドキャスト「本の窓」でも公開予定。
「GOAT meets」
定価:2,200円(税込)
B5判:306ページ
2025年7月24日発売
発行:小学館
■「GOAT meets」編集長コメント
「人と人が会うことで生まれる何か。その予期せぬ、未知なる力を刻むことを創刊の使命にしました。金原ひとみさんと朝吹真理子さんが実践した作家同士の出会いだけではなく、小説と絵や写真、つまりは作家とクリエイターの邂逅も狙いのひとつ。また、ページをめくりながら詩や短歌との出会いを楽しんでもらえるよう、造本にも工夫しました。読者の皆さまとも小誌を通じて早く出会いたいと、心から願っています。どうぞよろしくお願いします」(「GOAT meets」編集長・柏原航輔)
PCT Membersは、Photo & Culture, Tokyoのウェブ会員制度です。
ご登録いただくと、最新の記事更新情報・ニュースをメールマガジンでお届け、また会員限定の読者プレゼントなども実施します。
今後はさらにサービスの拡充をはかり、より魅力的でお得な内容をご提供していく予定です。