京都の便利堂コロタイプギャラリーで「恵みの循環」が開催される。
「恵みの循環」は、日本の農耕文化とフランスのワイン文化という二つの国の「恵み」と祈りをテーマにした写真展だ。京都の神社に伝わる五穀豊穣の祈り、そしてフランスの収穫祭に響く歓声̶日本とフランス、それぞれの地に根差した文化の中に息づく「大地の恵み」への感謝の心を、二人の写真家が写し取る。
本展は、KYOTOGRAPHIE(京都国際写真祭)の公式サテライトイベント「KG+2025」の『Pick Up』部門に選出され、KG+DISCOVERY Award 2025 ファイナリストにも選出された。日本では珍しくなったプラチナパラジウムプリントとフォトグラビュールという古典技法を使用した写真と、フランス政府公認「人間国宝(Maître d’Art)」の称号を持つファニー・ブーシェ氏がプリントしたエリオグラビュール作品とその貴重な原版も展示。また、日本の貴重な文化財や美術品の複製を手がける京都便利堂によるコロタイプ印刷でプリントされた作品など、今となっては貴重な技法によるプリントが見られる貴重な機会となる。
命は大地からの贈り物。清らかな水と悠久の時を経た豊穣な土壌は、命を育む源となる。東の大地では稲穂が風に揺れ、西の大地ではブドウの実が陽を浴びる。私たちは、その恵みと共に暮らし、文化を紡いできた。神社での祈り、能面に宿る魂、茶室の静寂。そしてワインの収穫祭に響く歓声。形は異なれど、自然への感謝と豊穣への祈りは、今もなお脈々と受け継がれている。大地が与える恵み、そこに宿る命とそのつながりに、人々は祈りを捧げ、感謝を刻む。レンズは、土地に息づく伝統と、その営みを支える人々の手と心を写し取る。
これは、大地の恵みと人々の営みが織りなす、永遠の感謝と祈りの物語である。
- ■展覧会情報
「恵みの循環」
会期:2025年4月12日(土)~5月11日(日)
時間:10:00~12:00 / 13:00~17:00(最終日は15:00まで)
会場:便利堂コロタイプギャラリー(galleryⅡ)
住所:京都市中京区新町通竹屋町下ル弁財天町302
■特別イベント
「愛すべきオルタネイティブプロセス」Produced by Roonee 247 Fine Arts
写真作品をプリント技法の視点から紐解き、作家がそれぞれのプリントプロセスへの想いを語る貴重なトークイベント。特にプラチナプリントやフォトグラビュールの技法については、現在取り組む作家が少なく、技術継承の点でも技法の魅力を多くの人に興味・関心を持ってもらうことに主眼を置く。
ナビゲーター:篠原俊之(Roonee 247 Fine Arts ギャラリーオーナー)
参加アーティスト:木下大輔・櫻井朋成
スペシャルゲスト:松下大介氏(カメラホリック編集長)※4月27日のみ
日程:
4月13日(日)13:00~/11:00~
4月19日(土)13:00~
4月27日(日)13:00~
5月5日(月・祝)13:00~
【関連リンク】
https://www.benrido.co.jp
会期 | 2025年4月12日(土)~5月11日(日) |
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会場名 | 便利堂コロタイプギャラリー |
※会期は変更や開催中止になる場合があります。各ギャラリーのWEBサイト等で最新の状況をご確認のうえ、お出かけください。
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