top 本と展示展覧会ピックアップ東京目黒の金柑画廊で川口 祐「ある日、ある朝、ある時間」が開催

東京目黒の金柑画廊で川口 祐「ある日、ある朝、ある時間」が開催

2025/03/26

川口 祐「ある日、ある朝、ある時間」©Yuu kawaguchi

 

東京目黒の金柑画廊で川口 祐「ある日、ある朝、ある時間」が開催される。
 
川口祐は、これまで絵画を一つの現象として捉え、空間そのものを絵画として機能させる試みとして作品を制作してきた。彼の作品は、展示空間において鑑賞者が作品の一部となり得ることで、それぞれの鑑賞体験が作品を成立させる要素にもなる。彼にとって作品制作は鑑賞者がいて初めて完結するものともいえる。
 
本展「ある日、ある朝、ある時間」は、手のひらの立体物ともいえる絵画作品が並ぶ。作品同士の関係性、鑑賞者、空間、時間が交わることで、絵画がより個人的な記憶や感覚を引き出す「呼び水」となることを試みる。

 

ある日、布団の中で柔らかい粘土の絵画があったら面白いなと思った。手の中で出来る絵画。普段は絵筆の先がどうやって絵の支持体に接するのか考えている。絵筆に限らないが、展示する壁や空間に身体を通して何がどうやって置かれるのか、触れていくのかに関心がある。前回の展覧会では、17.5㎝もある刷毛で5.5m×2.7mの床に直に支持体を作って絵を描き、その上を鑑賞者に歩いて貰った。今回展示する粘土の絵画は反対に小さく、手の中で作られる。絵画の大きさ自体に関心があり、大きくなったり小さくなったりする。
 
絵画の内容として、今まで何か象徴的なものを表そうとして描いたことはない。むしろ制作して出来た後の現象に近い。そこへ鑑賞者が関わり、現象から離れて鑑賞者の内面と関わっていくことで束の間の作品が現れる。何か象徴的なものを表さない代わりに「ものそのもの」を表現しようとしている。でも「ものそのもの」なんて存在しないことも分っている。そこが美術をやっていて面白いなと思っているのかもしれない。
普段は音楽を聴いてインスピレーションを求めている。エリック・サティとか、フェデリック・モンポウやバッハが好きで、静かなところに現れる音をイメージしながら聴いている。メロディよりもリズムや音そのものを聴く。もちろんロックやジャズ、ヒップホップも好きで聴いているけれど。
 
川口 祐

 

■展覧会情報
川口 祐「ある日、ある朝、ある時間」
会期:2025年3月22日(土)〜4月13日(日)
時間:12:00〜19:00
休廊日:月曜日〜水曜日
会場:金柑画廊
住所:東京都目黒区目黒4-26-7

 

■オンラインクロストーク:展覧会を作品にする
川口 祐(美術家)× 太田 京子(金柑画廊)
2025年4月6日(日)20:00〜21:00

【関連リンク】
https://kinkangallery.com/exhibitions/3989/

展覧会概要

出展者 川口 祐
会期 2025年3月22日(土)〜4月13日(日)
会場名 金柑画廊

※会期は変更や開催中止になる場合があります。各ギャラリーのWEBサイト等で最新の状況をご確認のうえ、お出かけください。

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