©System of Culture「Exhibit 7 “Phantom”」
東京神宮前のLAG でSystem of Culture「Exhibit 7 “Phantom”」が開催される。
2017年に活動をスタートしたSystem of Cultureは、これまでソーシャルメディア上に氾濫する画像データ、絵画や映画などをはじめとした膨大な量のコンテンツを参照、そこから得られるイメージおよび理論などを基に「イメージの変換」をした写真作品を制作/発表してきた。
ネットミームやAI生成画像から伝統的な静物画、また自身の過去の記憶の一場面までをも一つのイメージとして等価的に扱い、それらを元にして新しいイメージへと変換された作品は、全て恣意的に構築をされているにも関わらず、一見すると日常生活の一コマのような生活感を漂わせる。それによって鑑賞者は対峙する作品の主題や物語性、イメージ同士の関係性を想起させられることとなり、ここに写真の性質を自覚的に利用しその存在意義を問う作家の特徴を垣間見ることができる。
本展が初公開となる新作“Phantom”は、メディアを通した情報と現実の循環的な関係を探る作品だ。
写真は透視図法を用いることで仮想のキューブを生成する。それはイリュージョンとしての存在だが、箱とその中身を撮影し、その写真を同じ箱に同じ大きさで配置することで、鑑賞者はあたかも箱の中に実体があるかのように認識する。
仮想が現実かのように誤認され、あたかも実体であるかの如く振る舞っている時、写真(プリント)自体の物質性は透明化し、希薄化している。写真は物理的にはそこにありながら、まるで透明なフィルターのような存在に変わるのだ。この透明化の過程はより仮想と現実の境界を曖昧にし、その循環を促進する。それはメディアが現実を反映し、また逆にメディアが現実に影響を与えるという、相互に反射し合いながら自己参照的に循環していく現代の社会構造にも似ている。
- ■展覧会情報
System of Culture「Exhibit 7 “Phantom”」
会期:2024年10月11日(金)~11月2日(土)
時間:13:00〜19:00
休廊日:日曜日、月曜日、祝日
会場:LAG
住所:東京都渋谷区神宮前2-4-11 Daiwaビル1F
■写真集の紹介
System of Culture『Book2』
発売日:2024年3月14日初版
仕様:279×200 mm、108ページ、ハードカバー、
言語:英語・日本語
執筆:大澤紗蓉子、村上由鶴
翻訳:Robert Zetzsche
デザイン:橋詰冬樹
出版:SoC
印刷:山田写真製版
製本:渋谷文泉閣
価格:7,700円(税込)
■プロフィール
System of Culture(システム・オブ・カルチャー)
A graduate of Musashino Art University, Department of Visual Communication Design
【関連リンク】
https://www.live-art-books.jp/lag/exhibition/system-of-culture|exhibit-7-phantom/
出展者 | System of Culture |
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会期 | 2024年10月11日(金)~11月2日(土) |
会場名 | LAG(LIVE ART GALLERY) |
※会期は変更や開催中止になる場合があります。各ギャラリーのWEBサイト等で最新の状況をご確認のうえ、お出かけください。
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