千葉市のギャラリーAtelier Tにて立木義浩写真展「一対の赤」が開催中。会期は2024年7月20日(土)から8月30日(金)まで。8月11日(日)14時からはフォトコン編集長藤森順二氏を迎えてのギャラリートークショーも開催される。
- その昔、雑誌の取材で地方都市をスナップで撮ることになり、編集者も同行した。私の撮る姿をつぶさに見ていた彼が、取材終わりにつぶやいた言葉が妙に記憶の奥底にあって、ときどき思い出すのは不思議である。
- 彼はこう言った― 。
「立木さんは赤い色に反応しますね」
本人は気がついてなかったこととは言え、自分の趣味嗜好を見透かされている感じがして、ちょっと身構えたのは若気の至りというものだろう。
『古事記』や『万葉集』には、「あか」「あお」「しろ」「くろ」の 色しか出てこない。しかし、自然の色は美しいという文言は残っている。その色をどのように表現するのか悩みながら、その後日本人は、世界に類を見ない多くの文字や言葉をつくり、森羅万象に名前をつけるようになる。
一般的に赤色は人の心を揺さぶり、青色は落ち着かせると言われている。赤は人の心や身体を高ぶらせ、心理的に「情熱・興奮」といった強いエネルギーをイメージさせる、とも......。
だが、最終的に「モノの見かた」は人それぞれ。好きに見るのがよろしい。- 写真はある種の普遍性を持つものでなければならない、などと言っていると、落ちこぼれた名作を見逃すことになる。
『一対の赤』は一枚一枚停止した世界であるが、停止状態というものは決定的ではない。なぜなら、写真は、互いに互いを反映しあい、影響が他に及んで現れるのだから― 。
みなさん、くれぐれも、感情に鍵をかけないように。
屁理屈を言っても言わなくても「写真」は面白い。けれど、思うにまかせないところが「悪女の深情け」である― そう教えてくれたのは、写真そのものだったと思う今日このごろ、なのである。
◾️展覧会情報
立木義浩写真展「一対の赤」
会期:2024年7月20日(土)〜8月30日(金)
時間:10:00〜16:30
休廊日:月曜休館
会場:Atelier T
住所:〒264-0007 千葉市若葉区小倉町882-14
TEL:043-312-7737
【関連リンク】
出展者 | 立木義浩 |
---|---|
会期 | 2024年7月20日(土)〜8月30日(金) |
会場名 | Atelier T |
※会期は変更や開催中止になる場合があります。各ギャラリーのWEBサイト等で最新の状況をご確認のうえ、お出かけください。
PCT Membersは、Photo & Culture, Tokyoのウェブ会員制度です。
ご登録いただくと、最新の記事更新情報・ニュースをメールマガジンでお届け、また会員限定の読者プレゼントなども実施します。
今後はさらにサービスの拡充をはかり、より魅力的でお得な内容をご提供していく予定です。