top 本と展示展覧会ピックアップ井津建郎作品展「もののあはれ」

井津建郎作品展「もののあはれ」

2021/11/15

PGIでは初めてとなる、井津建郎の作品展「もののあはれ」を開催する。
 
祈りや人間の尊厳をテーマに、世界各地の聖地を撮影してきた井津が、近年初めて日本国内で取り組んできたのが、能面のシリーズである。能楽は室町時代から650年以上にわたり受け継がれてきた世界最古の舞台演劇であり、そこで使用する能面も当時のものが代々受け継がれている。
 
一人座敷で能面と対峙した井津は、そこに日本文化の原点を見出し、「奥深くも美しい精神性」を感じ取ったという。その作品には、綿々と受け継がれてきた人々の魂が宿り、その内にある哀艶さまでもが見事に引き出されている。
 
本展は能面のシリーズを軸に、磐座や神社周辺の自然環境に漂う神聖性を観察した作品、コロナ禍の自粛生活の中で自宅周辺の道端に人知れず咲き、そして散っていく名も知らぬ草花を自然光の中で撮影した静物写真で構成し、日本独特の美的理念、美意識である「侘び寂び」や「もののあはれ」を表現している。
 
ゼラチンシルバープリント作品約25点を展示。
 

写真家プロフィール
井津建郎(いづ けんろう)
1949年大阪府生まれ。日本大学芸術学部に学んだ後渡米。以来50年間ニューヨークを拠点として作品制作と発表を続けて現在に至る。30数年間にわたって『聖地』を14x20インチのカメラで撮影、プラチナプリントによる表現を続ける。
1993年にアンコール遺跡撮影のため初めてカンボジアを訪れる。以後インド、ラオス、ネパール、インドネシア、ブータン、中東などアジアの聖地の撮影を精力的に行う。カンボジアでの取材で、多くの子供たちが地雷の犠牲になっている現実を目の当りにし、非営利団体フレンズ・ウィズアウト・ア・ボーダーを設立。カンボジアとラオスに小児病院を建設し運営するなど多くのプロジェクトに携わる。
作品はニューヨーク・メトロポリタン美術館はじめ、アメリカを中心に多数の美術館に収蔵されている。作品集は2017年に「Seduction」、2018年に「Eternal Light」、2020年に「Requiem」、2021年に「Fuzhou -the forgotten land」など17冊の写真集を出版。

 

 

井津建郎 作家活動50周年記念展 「もののあはれ」
2021年11月24日(木) – 2022年1月21日(金)
冬期休廊12月25日 – 1月5日
月~土 11:00~18:00     日・祝日休館   入場無料

 

【関連リンク】

https://www.pgi.ac

展覧会概要

出展者 井津建郎
会期 2021年11月24日(木)〜 2022年1月21日(金)
会場名 PGI

※会期は変更や開催中止になる場合があります。各ギャラリーのWEBサイト等で最新の状況をご確認のうえ、お出かけください。

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