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JCIIフォトサロンで薗部 澄 作品展 「水辺の記憶-1950年代を中心に-」が開催

2023/09/24

東京 中央区佃島 渡船場のぼてふり 1950年3月

 

JCIIフォトサロンで薗部 澄 作品展 「水辺の記憶-1950年代を中心に-」が開催される。
 
かつて東京には多数の川や水路があり、人や物資を乗せた船が水上を行き交っていた。漁師町であった東京市京橋区佃島(現・中央区佃)生まれの写真家・薗部澄(1921-1996)は、戦後に引き揚げて勝鬨橋の上で隅田川の匂いを嗅いだときに「はじめて、俺は生きて帰ってきたんだっていう実感がわいた」と述懐している。「小さい頃から、そのにおいをかいで育ったし、川っていうのは、結局、俺にとっての原風景」「無理な相談なんだけどさ、あの川のにおいを撮ってみてえんだよな」と水辺への思いを語っている。
 
本展では、1950年代前後に薗部が撮影した、水都・東京の面影を伝える作品を中心に展示する。佃の渡しで船を待つ棒手振り(魚の行商)、通勤客が乗り込む隅田川水上バス、花見や住吉神社の祭礼で賑わう川べり、高速道路の工事が進む日本橋川など、生気に満ちた作品群だ。また、全国への取材旅行で撮影した水辺の情景も合わせて展示し、風土と共生していた生活文化を振り返る。
  

  • ■展覧会情報
    薗部 澄 作品展 「水辺の記憶-1950年代を中心に-」
    会期:2023年10月3日(火)~10月29日(日)
    時間:10:00~17:00
    休廊日:月曜日
    会場:JCIIフォトサロン
    住所:102-0082 東京都千代田区一番町25番地 JCIIビル 

 

■プロフィール
薗部 澄(そのべ・きよし)
1921年2月14日、東京市京橋区佃島(現・中央区)生まれ。
1937年、京橋尋常高小卒業後、書店・金松堂(赤坂)に奉公し、ブロマイド販売のために暗室仕事を始める。
1940年、カメラ店・双美商会に転じて暗室と撮影に取り組む。
1943年、東方社に入社して暗室業務を担当し、木村伊兵衛に師事する。
1944年に応召してフィリピン戦へ従軍し、1945年末に復員。
1947年、サン・ニュース・フォトスに入社して木村の助手を務めながら『週刊サン・ニュース』の暗室業務及び撮影を担当。
1950年、岩波映画製作所に入社し「岩波写真文庫」で約60冊の撮影を担当。
1957年、フリーランスとなる。
1968年、『日本の民具 全4巻』(慶友社、1964-67年)及び『黒川能』(平凡社、1967年)で第18回日本写真協会賞年度賞受賞。
1989年、『忘れえぬ戦後の日本 東日本編、西日本編』(ぎょうせい、1988年)で第39回日本写真協会賞年度賞受賞。
1995年、『冬日本海』『冬北海道』(日本カメラ社、1994年)で第45回文化庁芸術選奨文部大臣賞受賞。
1996年3月5日、逝去。享年75。
 
写真集は、『北上川(世界写真作家シリーズ)』(平凡社/1958年)、『日本の郷土玩具 全6巻』(美術出版社/1962-63年)、『奈良六大寺大観 6、7、9、11、12、13巻』(岩波書店/1969-72年)、『奈良の寺 14、18巻』(岩波書店/1974年)、『日本の土人形』(文化出版局/1978年)、『ふるさと』(朝日新聞社/1983年)、『桜前線』(ぎょうせい/1990年)、『子どもの領分』(淡交社/1996年)ほか多数。


【関連リンク】
https://www.jcii-cameramuseum.jp/photosalon/2023/08/12/33854/

展覧会概要

出展者 薗部 澄
会期 2023年10月3日(火)~10月29日(日)
会場名 JCIIフォトサロン

※会期は変更や開催中止になる場合があります。各ギャラリーのWEBサイト等で最新の状況をご確認のうえ、お出かけください。

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