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富士フイルム、放送用ズームレンズ「FUJINON HZK24-300mm」(愛称「Duvo Portable」)新開発

2023/09/17

富士フイルム株式会社は、シネマライクな映像表現と放送用レンズの操作性を両立した放送用ズームレンズ「Duvoシリーズ」の第二弾として、ポータブルタイプの「FUJINON HZK24-300mm」(愛称「Duvo Portable」)を開発した。
 
「FUJINON HZK24-300mm」は、2つの大型センサーに対応するデュアルフォーマット方式を採用したレンズだ。浅い被写界深度によるボケ味を生かしたシネマライクな映像表現を実現する。小型・軽量なポータブルタイプで、スポーツ中継やライブ・コンサート中継などで高い機動性を発揮する。なお、「FUJINON HZK24-300mm」の発売は2024年春を予定している。
 
現在、放送業界では、ボケ味やハイダイナミックレンジを生かした没入感のある映像を表現するために、シネマ業界で採用されている大型センサーを搭載したカメラによる撮影が増えている。現在、撮影に使用されるレンズには、大型センサー対応のシネマカメラ用レンズが主流だが、こうしたレンズは映画やCMなどの撮影用途に最適化されているため、放送用レンズと比べてズーム倍率が限られている。また、フォーカス操作専門の人員も必要であるなど、放送業界での撮影と異なるオペレーションが生じる。
 
富士フイルムは、2つの大型センサーに対応するデュアルフォーマット方式を採用し、シネマライクな映像表現と放送用レンズの操作性を両立した放送用ズームレンズ「Duvoシリーズ」を開発。同シリーズの第一弾として、箱型タイプの「FUJINON HZK25-1000mm」(愛称「Duvo Box」)を本年3月に発売した。
 
今回開発した「FUJINON HZK24-300mm」は、「Duvoシリーズ」で初となるポータブルタイプの放送用ズームレンズだ。「FUJINON HZK24-300mm」は、撮影現場で頻繫に使用される焦点距離24-300mmをカバーする12.5倍ズームと全長270.5mm・重さ2.95kgの小型・軽量を両立。スポーツ中継やライブ・コンサート中継など現場で高い機動性を発揮する。また、ズームデマンドやフォーカスデマンドの利用や豊富なアクセサリーへの対応により、放送用レンズと同じ撮影スタイルで操作することが可能だ。
「FUJINON HZK24-300mm」は、肩担ぎはもちろん、ステディカムを利用した手持ち撮影やクレーンを使用したハイアングルの撮影を行うことができる。
 
富士フイルムは、2023年9月15日~9月18日に、アムステルダムで開催される国際放送機器展「IBC2023」にて「FUJINON HZK24-300mm」と、すでに開発ロードマップで示している、焦点距離14-100mm・軽量が特長の広角ズームレンズ「HZK Wide」を参考出展する予定。
 

  • ■主な特長
    (1)小型・軽量ながら焦点距離24-300mmをカバーする12.5倍ズームを実現
    焦点距離24-300mmをカバーする12.5倍ズームと全長270.5mm・重さ2.95kgの小型・軽量を両立している。スポーツ中継やライブ・コンサート中継などで高い機動性を発揮する。
    レンズに内蔵されているエクスパンダーを使用することで、焦点距離を望遠側に1.5倍伸ばした36mm~450mmにシフトさせることが可能。遠く離れた場所からでも被写体を意図どおりの大きさでとらえることができる。
     
    (2)2つの大型センサーに対応したデュアルフォーマット方式を採用
    通常はスーパー35mmセンサーに対応。内蔵のエクスパンダーを使用すると、イメージサークルの大きさを1.5倍拡大できるため、スーパー35mmセンサーよりもさらに大きい35mmフルサイズ相当のセンサーを搭載したカメラにも使用可能。
    35mmフルサイズ相当のセンサーを搭載したカメラとの組み合わせでは、優れた光学性能を最大限引き出しながら、スーパー35mmセンサーと同等の画角での撮影を可能とする。スーパー35mmセンサーを搭載したカメラとの組み合わせでは、ズーム全域で28.5mmのイメージサークルを、35mmフルサイズ相当のセンサーを搭載したカメラとの組み合わせでは、ズーム全域で41.3mmのイメージサークルをカバーすることが可能。
     
    (3)美しいボケ味を生かしたシネマライクな映像表現が可能
    高精度に研磨された大口径非球面レンズ・スーパーEDレンズの採用により、各種収差を徹底的に抑制。4Kを超える光学性能を発揮する。さらに、ゴーストやフレア、色にじみを抑えることで、高精細かつ自然な描写を実現する。
    大型センサーに対応する高倍率レンズながら、広角側でT2.9の明るさを実現。屋内コンサートなど低照度環境下での撮影が可能。
    アウトフォーカス部をいくつかのレイヤーに分けてボケの質感を検証し、ピント面から背景にかけて自然に溶けていくボケ味を実現。被写体を際立たせたシネマライクな映像表現が可能。
     
    (4)各種アクセサリーを用いた操作に対応
    ポータブルタイプの放送用ズームレンズと同じドライブユニットを搭載。ズームデマンドやフォーカスデマンドを用いた、放送用レンズと同じ撮影スタイルで操作ができる。
    複数台のカメラで同時に撮影を行うマルチカメラオペレーションにも対応。効率的な映像制作をサポートする。
    映画・CMなどの制作現場で使用されるワイヤレスレンズコントローラーに接続することで、フォーカス/アイリス/ズームの遠隔操作が可能。シネマ業界で主流の撮影スタイルである、フォーカス操作専任者によるピント合わせにも対応する。
    フォーカスリングのギアピッチは0.8M(モジュール)を採用。フォローフォーカスや外付けモーターなど、映像制作における標準的な周辺アクセサリーの使用が可能。
     
    (5)快適な撮影・編集をサポートする機能を搭載
    フォーカス時に生じるブリージング(画角変動)を自動的に補正する「Breathing Compensation Technology」を搭載。撮影中の被写体サイズが変わらないため、自然な映像を実現する。
    カメラやロボティックのコントロールパネルを通じてリモートでフランジバックを調整する「Remote Back Focus(RBF)」を搭載。スタジオや中継車などの大きなモニターを見ながら精度の高いバックフォーカス調整を実現する。
    カールツァイス社が/i® Technologyに準拠して開発した「ZEISS eXtended Data(ツァイス・エクステンデッド・データ)」に対応。撮影時のレンズメタデータを外部出力できるため、撮影後の編集作業を効率化する。

 
■製品情報
放送用ズームレンズ「FUJINON HZK24-300mm」
発売日=2024年春頃予定
発売価格=未定
 
【関連リンク】
https://www.fujifilm.com/jp/ja/news/list/9883

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