東京・東神田にあるKiyoyuki Kuwabara AG(KKAG)で大西みつぐ写真展 「町の灯りを恋ふる頃 ―WONDERLAND1970s― 」が開催される。
コロナ禍のここ数年に限らず、
かつて東京の町にあった情感の質のようなものが随分変わってきた。
いつでもどこでもみんなスマホを覗いていることもあるが、
暮らしぶりをつぶさに連想させる街並みの消失、
あるいは歳時記などへこだわりが薄れたことも関係しているのだろう。
私が「町」を撮り始めた1970年代は、
70年代安保やオイルショックを経てもなお、連綿と続く庶民の暮らしのリズムがまだあった。
そこには、避けて通れない隣人である他者に関わりながら、
自分の暮らしを律していこうという率直な態度がうかがえた。
それらは時に「おせっかい」だったり、「喧嘩腰」になることも下町にはあった。
それでも人と町がつくりだす風景は格別に面白かった。
そういう時代が今後再び訪れるとは思えないが、
懐かしさを通り越したあたりにある、人と町の息づかいはしっかり覚えておきたい。
今回は1970年代当時の8×10サイズのプリントをそのまま展示したい。
稚拙な写真技術しか持ち得ていなかった私が気まぐれに焼いたプリントだ。
近接撮影で写した女性の目に施した微妙なトリミング、
あるいはわざとコントラストを高めイメージを高めようとした路地の写真。
お世辞にも「ウィンテージ・プリント」などと呼べるものではない。
しかしそうした迷いや戸惑いとともに、
「写真家」へ向かおうと薄っすら引いたスタートラインが見え隠れする。
他に撮る術(すべ)もなく、
スナップショットにすっかり身体を預けてしまった私のちょっとした恥ずかしい日々でもある。 大西みつぐ
■展示概要
大西みつぐ写真展 「町の灯りを恋ふる頃 ―WONDERLAND1970s― 」
会期:2023年5月17日(水)〜6月3日(土)
時間:15:00〜21:00(最終日は18:00まで)
休廊日:日曜・月曜・火曜
入場無料
会場:Kiyoyuki Kuwabara AG(KKAG)
住所:千代田区東神田1-2-11 アガタ竹澤ビル405
電話:03-3862-1780
【関連イベント】
2023年5月20日(土)17:00〜18:00
「路上の身振り、写真家の矜持」
雑誌「写真」編集長・村上仁一さんとの緩い対談 part2。
参加費:500円
【関連リンク】
http://kkag.jp
出展者 | 大西みつぐ |
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会期 | 2023年5月17日(水)〜6月3日(土) |
会場名 | Kiyoyuki Kuwabara AG |
※会期は変更や開催中止になる場合があります。各ギャラリーのWEBサイト等で最新の状況をご確認のうえ、お出かけください。
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