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「2022年度ライカ・ピクチャー・オブ・ザ・イヤー」に、マグナム・フォトグラファーのトーマス・ヘプカーの作品を選出。ライカギャラリーで数量限定にて特別販売

2022/10/28

「2022年度ライカ・ピクチャー・オブ・ザ・イヤー」に、マグナム・フォトグラファーでもある偉大な写真家 トーマス・ヘプカーの作品を選出された。ライカギャラリーで数量限定にて特別販売もする。
 

ライカカメラ社は、「ライカ・ホール・オブ・フェイム・アワード(Leica Hall of Fame Award)」の受賞歴を誇る傑出したライカフォトグラファーが撮影した作品を選出して「ライカ・ピクチャー・オブ・ザ・イヤー(Leica Picture of the Year)」として広く世界に紹介する企画を2021年より実施している。

 

これまでに「ライカ・ホール・オブ・フェイム・アワード」を受賞した写真家は12名にのぼる。毎年異なる受賞者の作品を「ライカ・ピクチャー・オブ・ザ・イヤー」として、世界各地の25のライカギャラリーのみで数量限定にて販売している。コレクターやライカファンにとっては偉大なライカフォトグラファーたちの傑作という特別なコレクションを入手する絶好の機会となっている。

 

2022年度の「ライカ・ピクチャー・オブ・ザ・イヤー」に選出されたのは、ドイツの写真家トーマス・ヘプカーが1963年に撮影した有名なモノクロ写真だ。この作品は本年春からウェッツラーのエルンスト・ライツ・ミュージアムにて開催された同氏の大規模回顧展「Thomas Hoepker – Image Maker」でも展示された。

 

同氏は当時、ドイツの雑誌『クリスタル』の写真家として活動しており、アメリカを好奇と批判の目で探るという撮影依頼を受けて、数カ月にわたってロードトリップを行った。撮影場所は交通量が多く騒がしいニューヨークの街中、被写体は公共バスで、バスの中から窓越しに外を見る2人の乗客の眼差しとバスの側面に掲出された胃薬の広告の人物が皮肉的に表現されたスナップショットだ。この作品について同氏は次のように振り返っている。

 

「ストリート写真を撮影している時に、幸運に恵まれることがあります。1963年、私はライカのカメラを携えてニューヨークの街を歩いていました。この時は1台のバスがそばを通り過ぎようとして、バスの側面にあった胃薬の奇妙な広告が目に映ったのです。それを1枚撮影したのですが、その写真のことはそれきり忘れていました。数週間後、コンタクトプリントを見返していてその写真に気づきました。バスの中には男性と女性の乗客がいて、その2人の表情が消化不良に悩まされているように見えました。私はどこか奇妙でユニークな写真が大好きなのです」
 
トーマス・ヘプカーは1936年生まれの写真家だ。1960年代からドイツのフォトジャーナリズム界の代表的な存在のひとりとして名を馳せており、数々の受賞歴を誇る。最初は一流雑誌の写真家兼特派員としてキャリアをスタートし、アートディレクターとして活躍した実績もある。世界的に有名な写真家集団マグナム・フォトのメンバーにも名を連ねており、感情を揺さぶる本格的なフォトジャーナリズムの代名詞的な存在のひとりとして高く評価されている。何年も前に拠点をアメリカに移しており、現在もアメリカに在住している。

 

ヘプカーの作品からは社会的なテーマへの関心の高さが垣間見える。そしてそこに写っている人物に対しては、それが有名人であれ一般人であれ、大いなる共感が見て取れる。このヒューマニズム的なアプローチは同氏の撮影スタイルにとってきわめて重要な要素だ。

また、ビジュアルによって場面の事実をありのままに伝える迫真性がその作風の特徴となっている。フリーランスとして活動してきた同氏は、好んで自らを「イメージメーカーである」と謙遜して称している。その瞬間をリアルに描き出すこと、すなわち真実を捉えることにのみ関心があるという意味がそこには込められている。その真髄が見事なまでに発揮された作品が、2022年度の「ライカ・ピクチャー・オブ・ザ・イヤー」として選出された。

 

<2022年度ライカ・ピクチャー・オブ・ザ・イヤー>

トーマス・ヘプカー, Advertisement and passengers on bus

(バスの広告と乗客 / 1963年ニューヨーク市にて撮影)

ファインアートプリント
全体サイズ:15.74×19.69インチ(40×50cm)/ 写真イメージのサイズ:10.31×14.76インチ(26.2×37.5cm)
シリアルナンバー入り、表面にサイン入り
販売数:50点(世界のライカギャラリーでのみ販売)
特製フォルダー入り、証明書付き、シリアルナンバー入り

 

  • 「ライカ・ホール・オブ・フェイム・アワード」について
  • ライカのカメラで撮影したワンシーンが、世界中の人々の心を揺さぶり、その記憶に鮮明に残る──。私たちを取り巻くこの世界を独自の視点で捉え、その写真作品で何らかの変革やムーブメントを起こしてきた偉大な写真家に対し、ライカは2011年から「ライカ・ホール・オブ・フェイム・アワード」を授与しています。受賞者たちの作品は自己のクリエイティビティの表れでもあります。そしてそこには「人間とは何か」が印象的に視覚化されており、それぞれの時代を象徴する不朽の名作として大勢の人々の記憶に刻まれてきました。過去の受賞者には、ジャンニ・ベレンゴ・ガルディン、ルネ・ブリ、ブルース・デビッドソン、ラルフ・ギブソン、アラ・ゲラー、トーマス・ヘプカー、バーバラ・クレム、スティーブ・マッカリー、ジョエル・マイロウィッツ、ユルゲン・シャデベルク、ニック・ウト、ヴァルター・フォーゲルがいます。
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  • ライカ・ピクチャー・オブ・ザ・イヤーについて
  •  2021年にスタートした「ライカ・ピクチャー・オブ・ザ・イヤー」の第1回目にはアメリカの写真家 ラルフ・ギブソンの作品が選ばれました。同作品は残り僅かとなりましたが世界各地のライカギャラリーにて引き続き取扱中です。日本国内ではライカギャラリー東京、ライカギャラリー京都での取扱となります。

 

【関連リンク】
https://leica-camera.com/ja-JP/World-of-Leica/Celebration-of-Photography/Picture-of-the-year

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