高知県立美術館では「ARTIST FOCUS」の第3回として、高知県南国市在住の写真家、角田和夫の個展を開催する。
幼少より対人関係に悩み、閉じこもりがちで失意に暮れる思春期を過ごした角田は、20歳頃に兄からカメラを譲り受けたことで、外界と関わり合う方法としての写真と出会う。以降、カメラに導かれるようにして、自らの表現と活動のフィールドを押し広げてきた。
本展では、角田が一貫して拠点とする高知の街を、肉眼では見えない光も捉えることができる赤外線フィルムによって写した3つのシリーズに焦点をあてる。
暗夜の公園や雑木林を心象風景として切り取った最初期作〈満月の夜〉、叔父の勤めるゲイバーを中心に80年代の歓楽街を写した〈土佐深夜日記〉、そして三十余年を経てパンデミック禍の高知に再びカメラを向けた最新作〈続土佐深夜日記〉によって構成し、独自の抒情性を湛えた作品世界を紹介する。
本展タイトルにある「うつせみ」とは、“この世”、あるいは“この世を生きる人”を意味する。被写体に自身の弱さや孤独な心情を響き合わせることで生み出されるモノクロームの写真には、夜の闇の深さと共に、そこに生きる人々が放つ、力強く眩いまでの光が焼き付けられている。
撮影と暗室作業は、自身を癒す “セラピー” だと語る角田の作品を通して、観る人それぞれが今を生きることの手触りを感じられる展示になっている。
- ■展示概要
「角田和夫 土佐深夜日記—うつせみ」
2022年10月29日(土)〜2023年1月9日(月)- 高知県立美術館
- 休館日:12月27日(火)〜1月1日(日)
- 観覧料:一般当日370(290)円・大学生260(200)円・高校生以下無料
※( )内は20名以上の団体料金。- ※年間観覧券所持者は無料
- ※身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳、戦傷病者手帳及び被爆者健康手帳所持者とその介護者(1名)、高知県及び高知市長寿手帳所持者は無料
- ※11月3日(木・祝)は開館記念日のため観覧無料
主 催:高知県立美術館(公益財団法人高知県文化財団)
後 援:南国市、高知新聞社、RKC高知放送、KUTVテレビ高知、KSSさんさんテレビ、KCB 高知ケーブルテレビ、エフエム高知、高知シティFM放送
助 成:公益財団法人朝日新聞文化財団
【関連リンク】
https://moak.jp/event/exhibitions/artistfocus_03.html
出展者 | 角田和夫 |
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会期 | 2022年10月29日(土)〜2023年1月9日(月) |
会場名 | 高知県立美術館 |
※会期は変更や開催中止になる場合があります。各ギャラリーのWEBサイト等で最新の状況をご確認のうえ、お出かけください。
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