top コラムスピンオフ「推すぜ!ペンタックス」ペンタックス・スーパーA【一話完結】

スピンオフ「推すぜ!ペンタックス」

ペンタックス・スーパーA【一話完結】

2023/10/05
赤城耕一

長く行方をくらましていたペンタックススーパーAをついに仕事場のロッカーから発見しました。

 

「推すぜペンタックス!」に掲載する予定でしたが、コボれてしまっていたので、連載は終了しましたが、あらためて取り上げることにしますね。一応、ペンタックス一眼レフではエポックな機種なんで、一部の方からはないんだったら買ってきてヤレという声までいただきましたが、無事発見できて、胸を撫で下ろしております。

 


なかなか端正な顔立ちをしていて、筆者は好きなんだけどね。重厚感に欠けますね。って、ペンタックスの35mm一眼レフって、みんな重厚感はないよね。それを求めるなら67を使えとか言われてしまいます。

 

登場は1983年です。40年を経ています。当時から筆者は注目しとりました。PENTAX一眼レフとして初となるマルチモードAEを搭載したということもありますが、これを実現するにあたり、KマウントレンズはKAマウントレンズとなりまして、絞り環にAポジションが追加されました。

 

A(絞り優先AE)モードならば、AEは制御しやすいのですが、T (シャッタースピード優先AE)モードやP(プログラムAE)モードを実現するにはカメラボディ側から絞りを制御せねばならないのですが、ミノルタやニコンでは絞りを最小絞りにセットする必要がありました。Aポジションを独立して設けていたのはキヤノンFDマウントですが、このためにキヤノンはマルチモード移行を容易に行うことができました。先見の明があったのでしょう。

 


smc PENTAX A24mm F2.8の絞り環にグリーンのAマークを見ました。それまでのMレンズとかは絞り優先AEとマニュアルで機能しますから無理してAレンズ買わなくてもいいんじゃねえかと思うのですが、デジタルになってからもAレンズを使う方が重宝しますから、覚えておいてください。でも作りは前のMレンズとかのほうが良くないですかね?

 

Super AはA、T、P、Mモードの設定が可能で、スピードライト撮影ではTTLオートも可能としています。やれることは全部やった感がありましたが、高機能なのにボディが小型軽量なことは素晴らしかったですね。またファインダー内の表示はシャッタースピードと絞り値が表示されます。うちにあるスーパーAくんは、少し液晶が薄くなってきましたが、判別はできます。

 


巻き上げ感触はまずまずだけど1作動式で分割巻き上げはできません。縦走りシャッターだからかしら。

 

なーに、本気で撮る時はマニュアルでしか撮らないので表示が薄くても問題はないと考えたのですが、考えてみれば本機にはシャッターダイヤルがない。

 

ファインダー内以外に外部にも液晶表示窓があるのですが、ボタンをプッシュして、液晶表示をみながら任意のシャッター速度を選択する必要があります。この窓、老眼の筆者にはいじわるなサイズですな。いまさらながら、お前の会社には老眼のジジイはいねーのかよと暴れたいくらいです。
 

久しぶりにスーパーAをいじくりまわしてみたのですが、本機はフィルム装填するといきなり1/1000秒の表示がでて、フィルムカウンター数字が1になるまで定速でシャッター制御がされます。

 


フィルムカウンターが1になるまで、空写しのときは1/1000秒で切れます。無駄な機能だけど、AEに設定している時、空写しの時にレンズキャップとかする人いるじゃないですか。そうすると長時間露光になってしまうそれを避けるためでしょうね。

 

ニコンF3にも同様な機能がありましたが、余計なことしなくていいのに。空巻き上げの最中にすごく良い被写体に出会って、1/1000秒だと絶望的な露出不足になってしまったらどーするんですかねえ。舌噛んで死にたくならないでしょうか。幸いにも現在に至るまでそのような事例は起こってはいませんが。

 

使用していても重厚感はないのですが、気軽さがあっていいですね、ボディのカバーはプラスチックなんでしょうけどね。ま、気軽に使うにはいいカメラです。シャッター音なんかカッタンコットンと聞こえます。
 

あ、そうだ、中古での購入の注意点として、本機のセルフタイマーの壊れやすさを挙げておきます。レバーを引っ張ってセットするへんなやり方なんですが、けっこう調子悪い個体が多いですね。どなたですか?ここを設計した人は?

 

セルフタイマースライドですね。横にカバーをずらすと、赤いランプが出現して、作動すると点滅します。かつてうちにはスーパーAは複数台ありまして、生き残った1台のみがセルフが生きていました。


セルフなんか使わねえからいいやとかいう人はいいんですが、筆者はわりと使うほうです。いや、記念写真とかセルフィーが好きということじゃないですよ。
 

街のスナップなんかでも夜とかで低速シャッターを切らなければならない時は道端に転がっているビールケースの上にカメラを置いて、セルフタイマーかけて長秒時露光とかするわけです。

 


露光補正ダイヤルは巻き戻しクランクの基部にありますが、刻みが粗いぜ。ポジフィルム使う人だっているだろうに。困りますね。

 

もちろんきまぐれにやるだけですけど、三脚とかケーブルレリーズとか持って歩かないしね。だからセルフが壊れているカメラは嫌いです。最初からなければ諦めるんですが、いちおう動作するものは不正確でも動かないとイヤなわけです。
 

モードラもついちゃいますが、今度はモードラが見つかりません。いいですよね、フィルムも高いいまどうせ使わないし。なんか動作音とかあまりよくなかったような記憶があるけど、どうでしたかね。
 

マルチモードって意外と使いづらいというか普通は特定の撮影設定で使うのが筋じゃないですか。被写体に応じて撮影モード切り替えるとか、普通やらないよね。アサインメントではどうせマニュアル設定でしか撮らないしさ。使いづらいというよりは余分なものがついているという感じです。使わなきゃいいんだけど、なんか抱き合わせで買わされた感ありますね。ペンタックスMEスーパーの後継機であり、これに撮影モードを追加したという存在かもしれないです。

 


マウント部の電子接点です。ペンタックスAレンズでは1つしか接点ないので他は使いませんが、残りの接点は何に使うのでしょうか。おしえてください。FAレンズとか使うとなんかなるんですかね。

 

ファインダーは大きく見えていいと思いますし、MF一眼レフとしては基本的な性能をうまく押さえていますね。さすがです。
 

それでもカメラメーカー各社ともにマルチモードをやらないと他社よりも遅れるとか思ったのかなあ。そんなに重要なのかしらね。
 

スーパーAはボタン押してあれこれいじくれるので、手慰みカメラとしてもイケますからそのほうが重要だったんじゃないのかなあ。

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