top コラム一人で行く、オールドレンズの散歩道第12話 番外編 AI画像生成・ミッドジャーニー(Midjouney)で、マン・レイにおにぎりを撮ってもらう。

一人で行く、オールドレンズの散歩道

第12話 番外編 AI画像生成・ミッドジャーニー(Midjouney)で、マン・レイにおにぎりを撮ってもらう。

2022/10/04
柊サナカ

discordのホームページ

 

本来、カメラを持って一人でどこかに出かけていくはずなのですが、なかなか一人になって、カメラを持って出かけることができません。
今回は、出かける代わりに、想像の世界を旅しようということで、AI画像生成の”ミッドジャーニー”(Midjouney)というものを試して、いろいろなことをやってみました。

 

AI画像生成なんて絵だろ? カメラ関係ないじゃないか、と思うじゃないですか。しかしこのAIはウェブにある画像を分析して学習しているため、例えば、「モノクロで」「カラーで」はもちろん、画角も指定でき、ボケ多めでとか、レンズの銘柄まで指定できるのです。

 

このミッドジャーニー、遊ぶためには、ミッドジャーニーだけではだめで、まずディスコード(Discord)が必要です。→https://discord.com/
このディスコードは、全世界で使われるコミュニティアプリの一種です。この二つを組み合わせることで、AI画像生成ができるようになります。まず、ディスコードのアカウントを作ります。スマートフォンでもできるそうですが、わたしはパソコンからにしました。

 

AI画像生成のミッドジャーニーは、こちらです。→ https://www.midjourney.com/home/
"join the beta" で入ることができます。2022年8月現在、初回24枚程度ならば無料で試せますので、ぜひ遊んでいただきたいと思います。このミッドジャーニー、英語版しかないのですが、とくに会話せずに英単語のみで遊べます。

 

Midjouneyのホームページ。

 

入ったら、初心者の部屋へ。左にnewbies- (数字)というのが初心者の部屋なので、適当にクリックします。入力欄に /imagine と打ち込み、あとは任意の英単語を打ち込み、画像ができるのを待ちます。このミッドジャーニーは操作にクセがあって、他の人の画像に押し流されて、どんどん自分の投稿が流れていってしまうのです。そういうときは、右上の□を押すと、それが受信ボックスなので、そこに絵ができています。(時間が少々かかるので、気長に待ちましょう)

 

これがわたしの作った、浮世絵カメラです。〔/imagine ukiyoe,classic camera〕こんな風に、カンマで区切りつつ、英単語を組み合わせてAIに指示を出します。

 

AI浮世絵カメラ。〔/imagine ukiyoe,classic camera〕

 

だんだん調子に乗って、「4kフォトで、女の子のポートレイト、ボケ多め、コダックのポートラを使ってレンズはズミルックスで、ライカで撮った写真をお願い」と打ち込んだらこのような画像が出てきました。まだまだ細部は不自然ながら、それらしいといえばそれらしい画像が得られておののきました。

AI存在しない美女。〔/imagine photo,real4k,girl fullbody portrait, taken with a Leica,summilux,bokeh,kodak portra160〕 

 

まだまだ調子に乗って、今度は、「敬愛するアンセル・アダムスみたいな雰囲気で富士山を撮ってみたいです、お願いします!」と打ち込んだら出てきたのがこちら。いや、もっとアンセル・アダムスならもっと階調が豊かなはず……と思ったので、今の時点では、AIには、人間の写真家は打ち負かされないだろうなと思います。

 

AIアンセルアダムス風?富士山。〔/imagine photo,real4k, shot by ansel adams,majestic scenery,black and white,Mt fuji〕

 

とどまるところを知りません。「じゃあ今度は、おしゃれな雪の東京を、ソール・ライターが撮るみたいな感じで」とお願いしてみました。
どこがどうとは言えないんですが、なんとなくそれっぽいのには驚きました。

AIソールライター風? 雪の東京〔/imagine photo real4k,Fashionable snowy Tokyo ,shot by Saul Leiter〕 

 

マン・レイがおにぎりを撮ったら、どんな感じなのか気になりませんか? オブジェ風に撮るのでしょうか。
おにぎりと入力したのに、謎の男の画像が出てきました。AIが日本語に対応していないので、たまにこんな風に、まったく予期しないものが出ますね。 

AIマン・レイ風おにぎり。〔/imagine photo real4k,shot by Man Ray,onigiri〕

 

作家名+要素でいろんな生成された画像を見ていると、ちょっと怖くもなりました。

今でこそ細部が不自然だったりしますが、そのうちにもっとAIが高性能になり、○○風で抽出された作家性から、どんどん別の写真を派生させていくことも可能になるかもしれません。

 

もしかして、未来のカメラには、このAIが標準搭載され、カメラに「今は夏だけど、冬で雪の風景、森山大道風で」みたいにカメラに指示を出しながら撮ることもできるのでは、と思いました。そうなると、個人の作家性はどうなってしまうのでしょうか。もしかして、高名な写真家が亡くなっても、無限に新作が出るような未来になるのかもしれませんね。

 

「ええっ、ひいおばあちゃん、AIなしで写真撮ってたの? どうやって?」と言われたりする日が来るのでしょうか。そんな日が来たら、ライカⅢfを見せつけてやりますよ!


そのうち小説も、「カメラ女子の冒険譚、ハッピーエンドで」と、呟くだけで、AIが小説一本書けてしまったりもする日がくるのかもしれませんね。いやはや、すごい時代に生まれたものです。

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